Intelは、OEM、装置メーカー、システムインテグレータ向けに、産業用組み込みシステムの迅速な実装を実現する「インテル Industrial Solutions System Consolidation Series」を発表した。

同プラットフォームは、事前に統合、検証された組み込みシステム用仮想化製品で、それぞれ離れた場所にある複数の分散されたシステムを単一のデバイス上で統合して管理できるため、より効率的な自動化プロセスに低リスクで移行できる。同ファミリにより、産業用システムやオートメーションシステムの設計コストを削減し、新しい製品をより高速かつ効率よく市場に提供することができる。

また、同プラットフォームは、完全にパッケージ化されたソリューションで、「インテル Core i7プロセッサ」と事前に統合された仮想化ソフトウェアを備えた組み込み用コンピュータが含まれている。仮想化ソフトウェアは、あらかじめ環境設定された「Wind River Hypervisor」を搭載し、論理的に3つに区切られたインスタンスのうち、「Wind River VxWorks」で動作する2インスタンスでリアルタイムな稼働が必要なアプリケーションを稼働させ、「Wind River Linux 5.0」で動作する1インスタンスでリアルタイムな稼働が不要なアプリケーションを稼働させる。

一方、多くの産業用アプリケーションでは、リアルタイムのパフォーマンスもしくは高度に予測可能な動作が求められているため、従来の統合ソリューションでは大きな課題があった。仮想化は複数の仮想マシンを使用して重要なワークロードをセキュアかつ論理的に分割できるため、この課題に対応できる。同プラットフォームでは、論理的に3分割することで、それぞれ離れた場所にある複数の分散されたサブシステムを単一のデバイス上に統合できるため、コストの削減、柔軟性の向上、設置スペースの削減が可能になる。

なお、今年後半には、これらのWind River製ソフトウェアと「McAfee Embedded Control」を同梱した製品を提供する予定。同製品は、組み込み用PCなしで提供され、様々なカスタマイズや提供者ごとの特徴を反映できるよう、認定ODMから提供される。

さらに、同プラットフォームを使用した産業用組み込みシステム開発向けソフトウェアツールスイート「インテル System Studio」の最新版を合わせて発表した。同ソフトウェアとツールスイートは、組み込みシステム向けに高度に最適化された構築/パフォーマンス分析ツールを提供し、システムのライフサイクル全体を通じて各種機能の信頼性を高められる。

「インテル System Studio」は、Intel Developer Program for Internet of Things(IoT)の一部を構成するもので、アイデアからアプリケーションを生み出し、市場に提供するために必要なリソースを提供するとしている。