ストラタシス・ジャパンは2月18日、都内で記者発表会を開き、3Dプリンタの新製品「Objet500 Connex3」の販売を開始すると発表した。

Objet500 Connex3の製品写真。会場にはObjet500 Connex3の現物はなかった

同製品は、従来のConnexシリーズの性能を受け継ぎつつも、カラー出力に対応したことが特徴。カラーは基本色のシアン、マゼンタ、イエローの組み合わせ(カラーパレット)で決まり、1回の出力で最大46色まで利用することが可能。現時点でカラーパレットは10種類ある。また、2014年の第2四半期にはラバーライク素材「Tango」のカラー版が登場し、6種類のカラーパレットを用意するとしている。

Objet500 Connex3で造形したフィギュア(左)、自転車のサドル(右)

魚の置物(左)、アイアンマンの頭部(右)

Jonathan Jaglom氏

記者発表会の冒頭、ストラタシス アジア太平洋地域&日本担当ゼネラルマネージャーのJonathan Jaglom氏が登壇し、同社のワールドワイドの概要を説明した。同社は、世界の35カ所にオフィスをかまえ、販売代理店が約260、顧客数が6万5000以上、2013年の第3四半期の収益は、2012年の同時期と比べて38.6%増加したという。販売台数が増えた理由について、同社が昨年買収したメーカーボットが理由の1つだと述べた。また、アジア太平洋地域はグローバルで20%を占める大きな市場で、その中でも日本は急成長している地域であることを強調した。

製品担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのOfer Nir氏は、同製品を開発した経緯を説明。「多くの企業を訪問し、3Dプリンタをどのように使っているか、どういった機能が必要なのかを調査したら、カラーを求める声がとても多かった。そういった顧客の声が製品化を実現した」と述べた。また、日本の企業は「私たちが想像していなかった使い方をしていた」と述べ、製品開発をする上でも日本企業は重要視しているという。

Ofer Nir氏(左)、片山浩晶氏(中)、Yuima Nakazato氏(右)

ストラタシス・ジャパン 代表取締役社長の片山浩晶氏は、米国では同製品が1月末に発表されたが、その時点で複数の国内企業から予約注文があったと報告した。会場には、注文した企業のリスマチックとDMM.comの担当者が登壇し、同製品への期待を述べた。国内での出荷開始は3月以降になるという。

最後に、同製品とファッションデザイナーのYuima Nakazato氏とのコラボレーション企画が開催され、Nakazato氏がデザインし、同製品で出力したアクセサリーやバッグが披露された。Nakazato氏は「赤と青の2色に意識してアクセサリのデザインを進めた。3Dプリンタで出力するのをイメージしながら、最終製品を目指した」と述べ、3Dプリンタがファッション業界でも活用できることを示した。

ファッションショーの様子