日本時間8日に開会したソチ五輪。約2週間にわたって行われる4年に1度の冬の祭典も、日程の半分を終えて後半戦に入っている。多くの日本人選手が様々な感動のドラマを生んでくれたソチ五輪前半戦を、簡単に振り返ってみよう。まずは7~12日までだ(時間はすべて日本時間)。
男子フィギュアスケートの羽生結弦、世界中を魅了
【2月7日】
■フィギュアスケート団体で、羽生結弦が世界の注目の的に
開会式に先がけて行われた、今回からの新種目・フィギュアスケート団体。男子シングルショートプログラムに出場した羽生結弦選手は、97.98で10人中トップに。その美しい演技と顔立ちで世界中に「HANYU」の名をとどろかせた。
【2月8日】
■スノーボードのスロープスタイルで角野友基が8位入賞
斜面に設けられたジャンプ台や障害物での滑りや空中技の難易度でメダルを争う新種目のスロープスタイル。日本からただ一人出場した角野友基選手が、75.75で8位入賞を果たした。
上村愛子の4位判定に、多くの日本人が「?」
【2月9日】
■女子モーグル・上村愛子への"不可解"なジャッジにネット上で疑問の声
女子モーグル決勝に進んだ上村愛子選手は、5度目の五輪で悲願の初メダルを狙ったが、惜しくも4位となった。だが、3位のハナ・カーニー選手(米国)がターン中にバランスを崩していたため、目立ったミスがないように見えた上村選手の方が3位にふさわしいという声がネット上で多く見られた。
【2月10日】
■日本選手団のキャプテン・葛西紀明がノーマルヒルで8位
ジャンプの男子ノーマルヒル個人決勝が行われ、冬季五輪7度目の出場となる41歳の葛西紀明選手が8位に入賞。100m超のジャンプを2本ともそろえたのは、葛西選手と優勝したカミル・ストッフ選手(ポーランド)の2人だけ。日本代表選手団の主将として意地を見せた。
■フィギュア団体、日本は5位に終わる
10カ国中、上位5カ国しか参加できないフリーへと駒を進めることができた日本。だが、得点源として期待されていた男女シングルで、町田樹選手と鈴木明子選手がスコアを伸ばすことができずに5位に終わった。
■スピードスケート男子500m、加藤&長島のWエースがメダルを逃す
2回の合計タイムでメダルを争う男子スピードスケート男子500m。2010年バンクーバー五輪の銅メダリスト・加藤条治選手はトータル1分9秒74で5位、同じくバンクーバーの銀メダリスト・長島圭一郎選手はトータル1分10秒040で6位に沈み、2大会連続のメダルは逃した。
ソチでの初メダル獲得、高梨まさかの4位と見所満載だった12日
【2月12日】
■スノーボード男子ハーフパイプ、平野&平岡で銀、銅メダルを獲得
雪面を半円状に掘り下げたコースの中で、ジャンプや回転などの演技を行うハーフパイプ。男子決勝では15歳の平野歩夢選手が93.50のスコアを、18歳の平岡卓選手が92.25をマークし、それぞれ銀メダルと銅メダルを獲得した。日本選手団待望のメダルは、まだあどけなさの残る10代の若武者2人がもたらしてくれた。特に15歳の平野選手は、冬季五輪の日本選手で最年少メダリストとなった。
■初代ジャンプ女王の最有力候補・高梨沙羅がまさかの4位
初種目となる女子ノーマルヒル個人決勝には、今シーズンのワールドカップで13戦10勝の高梨沙羅選手が出場。圧倒的な強さで優勝候補と見られていたが、最近になって改善の兆しが見られていた着地時のテレマーク(両足を前後に開き、腕を左右に上げた姿勢)が入らずに飛型点が伸びないなど苦しみ、4位と失速した。
■渡部暁斗がノルディック複合で銀メダル獲得。その姿に荻原次晴も男泣き
前半のジャンプと後半の10kmにもおよぶクロスカントリーでメダルを争うノルディック複合。ノーマルヒル個人では、渡部暁斗選手が銀メダルを獲得した。日本の複合個人メダルは実に20年ぶりの快挙だ。歓喜の瞬間を見届けたキャスターの荻原次晴氏は、感極まって生放送中に男泣き。その姿に、ネットユーザーからは「もらい泣きしたわ」との好意的なコメントが多数寄せられている。