オリエンタルコンサルタンツは2月5日、名古屋大学大学院 工学研究科の中村英樹教授、キクテックと共同で、歩行者の安全な横断を支援する横断者感知式注意喚起システムを開発したと発表した。

同システムは、横断歩道の歩行者を人感センサで検知し、路面の道路鋲とLED表示板によって、ドライバーへ注意喚起を図るもの。全ての歩行者が横断し終わった時、または、設定した一定秒数後に、道路鋲とLED表示板が消灯する仕組みになっている。また、歩行者用信号機と連動させることも可能で、赤信号時には点滅しない仕様にもできる。高知県の国道などで試験導入されてきたが、今回、実導入されることになった。

横断者感知式注意喚起システムの構成

同システムの特徴は、常時あらゆる方向に対してむやみに警告するのではなく、歩行者が横断しようとしている時のみ検出し、必要な方向に点滅させ、ドライバーへ注意喚起を行う点である。また、車載器などのデバイスを必要としないため、通過する全てのドライバーに注意喚起することができる。注意喚起を路面に埋め込んだ道路鋲で行うことで、発光した道路鋲を注視すると、そこに横断歩行者がいるため、横断歩行者をより注意できる仕組みとなっている。

過去に実施した実験などでは、ドライバーの歩行者優先意識の向上、歩行者の認知遅れの防止、歩行者の安心感の向上などの効果があることが明らかとなっており、歩行者横断時の交通事故防止に大きく寄与するとしている。これら実験による有効評価結果を踏まえ、高知県の国道で実導入された。

同システムの導入により、横断歩道において、自動車と歩行者の錯綜機会が減少し、横断歩行中の交通事故の削減と、横断者の安心感の向上が大いに期待できる。同システムは、無信号の横断歩道、信号交差点の横断歩道(右左折時への対応)、左折導流路の横断歩道など、様々な場面で適用可能と説明している。

高知県の国道での導入事例

人感センサと道路鋲

制御BOXとLED表示板