日本ラドウェアは2014年1月28日、アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)の次世代型統合ソリューション「Alteon NG」を発表した。新たに、アプリケーションSLA(サービスレベル保証)を提供する機能が搭載され、Web表示を最適化する「FastView」が統合された。

従来の一般的なADCは、「ベストエフォート」アプローチを提供しており、アプリケーションのSLAを保証することはできない。Alteon NGは、アプリケーション/サービスごとに専用のADC仮想インスタンス(vADC)を提供し、インスタンス間を完全に分離することで、隣接するアプリケーションのパフォーマンスに影響を与えることはない。これにより、完全なアプリケーションのSLAを保証し、ハードウェア構成を変更することなくオンデマンドでスケールアップすることができる。

また新しいAlteonは、スループット要件ごとに異なるプラットフォームが必要とされる一般的なADCプラットフォームとは異なり、リプレースを必要とするようなアップグレードを排除することによって、将来のADCソリューションへの設備投資を未然に節約する。

SLAを保証するためには、アプリケーションデリバリーチェーンのさまざまな部分のパフォーマンス状況を可視化し、管理者へ情報を提供することが必要とされる。Alteon NGには、アプリケーションパフォーマンスモニタリングサービスを統合する「アプリケーションパフォーマンスモニタリング(APM)」が搭載され、アプリケーションのSLAをリアルタイムにトラッキングし、APMを通してアプリケーションのSLA監視し、エラーなど実際のユーザーのトランザクションを測定することができる。この機能により、ネットワークからデータセンターに渡るパフォーマンスの問題を迅速に検出し、SLAの問題を特定することが可能となる。

アプリケーションをスムーズにエンドユーザーへ提供するためには、従来のADCで提供するサーバーとネットワークリソースの最適化とは別に、Webブラウザでの表示速度を高速化することが必要となる。Alteonは、ラドウェアのWeb表示高速化ソリューション「FastView」を統合することにより、Webコードの書き換えとリソースの結合などによるWebアプリケーション最適化機能を利用でき、Webコンテンツの表示速度を大幅に高速化できる。このWebパフォーマンス最適化機能は、FastViewにより自動的に行われるため、従来プログラマが行っていたコード最適化作業を削減でき、Web開発およびメンテナンス作業の効率化とコスト削減を実現する。