レゴ エデュケーションは1月15日、レゴブロックを用いた言語教育教材「StoryStarter(ストーリースターター)」を2014年4月より、日本国内の公立・私立の小中学校ならびに高等学校を中心とした教育機関に向けて販売開始することを発表した。

同教材は2013年に米国とロシアで先行して販売され、2014年に日本を含めた世界展開が進められるストーリー(物語)を創作しながら言語などのさまざまな能力を伸ばすことを目的としたもの。2018年までに全世界10万教室での活用を目指すとしており、日本でも2017年までに2500校、1万5000台の導入を目指すとしている。

教材は3つの要素で構成されている。1つ目は1144ピースのレゴブロックが入った「コアセット」。最大5名まで学べる構成となっており、一般的な四角いブロックのほか、犬や花といった形のブロックも用意されている。また小学生低学年などでも利用しやすいようにボックス内部が区分けされていたり、各パーツごとに区分けシールが用意されていたりする。

StoryStarterを構成する3つの要素

1つ目の構成要素であり、メインとなる1144ピースのレゴブロックが入っている「コアセット」。その多くは市販されているレゴブロックと同じものだが、特殊形状のものなども含まれているほか、教育用として細かな工夫が施されている

コアセットの外観

同じパーツが5個ずつ用意されており、最大5名まで同時に使えるようになっている

コアセットの中身の外観

コアセットのパーツリスト

パーツは区分けして入れられており、かつ付属の区分けシールを貼ることで、どの枠にどのブロックを入れるかがパッと見でわかることができるようになる

2つ目が教師用のカリキュラム(指導案)ガイド。どういった教え方をするべきかといったことや評価基準(ルーブリック)などが提供されるほか、24種類の授業を進めるための導入方法やブロックの組み立て方法などのアイデアも提供される。

StoryStarterカリキュラムガイドの概要

物語を作らせるための導入ガイドの1つ

左の画像も物語を作るための導入シーン。右側のブロックは実際に作られた物語の1シーン

そして3つ目が物語を読み物風に見せるためのソフトウェア。

StoryStarterソフトウェアのイメージ

複数種類のテンプレートが用意されており、そこに撮影したブロックで作った風景などを埋め込み、吹き出しなどを組み合わせることで読み物としての体裁を整えることが可能となる。また、テンプレートもコミック風やおとぎ話風、新聞風など、シーンに合わせたものが複数用意されている。

実際に物語の1シーンとして作ったレゴブロック(左)を、ソフトを用いてコマ割りや吹き出しなどを加えて、読み物風にすることができる

iPadを用いたデモ。コマ割りやシーンを選択して、吹き出しの文字を作ったりすることができる

レゴ エデュケーション日本代表の須藤みゆき氏は、文部科学省(文科省)の文化審議会では、国際化、情報化社会といわれる現代において最も重要な国語力としては、自分の意見をきちんと述べるための論理的思考力や、膨大な情報を素早く正確に判断・処理する能力、自らの考えを主張や的確にまどめて情報として発信していく能力などが挙げられているが、StoryStarterについて文科省もそうした能力を育む言語活動教材として強い興味を持っているとするほか、複数の都道府県レベルの教育委員会も興味を示しており、今後の教育現場での活用も近いと見ているとコメントしている。

レゴ エデュケーション日本代表の須藤みゆき氏(左)と、LEGO Educationの最高責任者であるヤコブ・クラウ氏(右)

21世紀に求められるさまざまな能力

StoryStarterによって育まれることが見込まれるさまざまな能力

対象は7歳以上の小中高生で、小学校での国語教育や中学校での英語教育、高校での情報の授業などでの活用を想定しているとのことで、販売初期は私立の学校を中心に導入が進み、その後、公立校や図書館といったところでの導入が進められていく見込みだという。

なお、ソフトウェアはPC系OSのほか、2014年1月よりiOSに対応しており、今後3か月以内にAndroidなどへの対応も図られていく計画だとしている。