BtoCそしてBtoBでもモバイルアプリの重要性が高まる中、収益性という点では課題が残る状態が続きそうだ。調査会社の米Gartnerによると、2017年にダウンロードされるモバイルアプリのうち94.5%が無料アプリとなる予想で、財務的に成功と見なすことができるアプリは全体の1%にも満たないだろうという。

モバイルアプリは、市場が立ち上がった当初から収益性や、どうやって潜在ユーザーに見つけてもらうかが課題とされてきた。Gartnerによると、後者についてはアプリストアなどが提供するおすすめアプリ情報をプッシュするレコメンエンジン機能、ソーシャルネットワーク、広告、それに友人からの口コミが重要になっているという。

収益性については、企業の多くがモバイルアプリをブランド認知、製品の啓蒙などの一環として展開していると分析するが、財務的成功はあまり期待できない状態が続きそうだ。Gartnerでは2017年にダウンロードされる消費者向けモバイルアプリのうち94.5%は無料で公開されている無料アプリと予想、残る有料アプリのうち1日のダウンロード回数が500以上で1日の売上げが1250ドルを上回るものは、約10%にとどまると予想している。さらには、今後競争が激しくなると状況はさらに悪くなるだろうという。

モバイルアプリ開発市場は「超活発」な状態で、モバイルアプリ開発プラットフォームを開発するベンダーは200以上、これに加えてオープンソースのツールも公開されている。同時に、モバイル端末上のブラウザの進化を受け、アプリ配信プラットフォームとしての役割も果たすようになると予想している。HTML5は「プラットフォームに依存しないアプリ配信技術として最善の選択肢となる」としながらも、分断化、パフォーマンスなどが引き続き課題としている。このようなことから、スマートフォン、タブレット、PC分野で大きなシェアを占めるのは、Android、iOS、そしてWindowsの「3大プラットフォーム」と予想している。

企業のBYODについては、モバイルデバイス管理(MDM)による制限が厳しすぎるなどの理由で20%が失敗するとも予想している。