女優で歌手の前田敦子と黒沢清監督が11日、東京・渋谷区のシネクイントで行われた、映画『Seventh Code』の初日舞台あいさつに出席した。

映画『Seventh Code』の初日舞台あいさつに出席した前田敦子

同作は、前田の4thシングル「センブスコード」(3月5日発売予定)のミュージックビデオとして制作され、昨年11月開催のローマ国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀技術貢献賞を受賞した作品。ロシア・ウラジオストクを舞台に、前田演じる主人公・秋子が、「会いたい」という一心で、危険をかえりみずに1人の男を追い求めるミステリアスなストーリーとなっている。映画は、同劇場ほか1週間限定公開。

集まった観客の「あっちゃーん!」という声に迎えられた前田は、「黒沢監督とご一緒できただけでもうれしくて、それが映画になってうれしい」と喜びを語り、「本当に優しく気を遣ってくれたんですが、逆にその状況が厳しかった。どう応えようか、監督のために頑張ろうと思って乗り切りました」と撮影を振り返ってにっこり。企画の秋元康氏に「映画みたいに作って欲しい」とオファーがあったことを明かした黒沢監督は、「ちゃんとしたものを作ろうと気合が入った。前田さんが世界に向けて旅立つような内容にしたかった」と話した。

ウラジオストクでの撮影では苦労もあったようで、前田が「スケジュールもタイトで気温差もすごくて、今までで1番大変だった」と吐露すると、黒沢監督は「日が暮れないから、ついついたくさん労働してしまった。全く不平不満も言わずに付き合ってくれました」と苦笑いで釈明。また、前田の印象を「本当に素晴らしい。色んな可能性を秘めている」と語った黒沢監督は、「悪く言うと孤立していて、良く言うと独特な雰囲気を持っている。たった1人で生きている強さがにじみ出ているような女優は貴重ですね」と称賛すると、前田は「そういう風に言われることは多いかな」と照れ笑いを浮かべた。