ベルリン市内中心部にあるApple Store。店舗が面する通りは有数の高級ブランド店が多数並ぶ繁華街

車で店舗の扉へ突撃して内部へ侵入し、換金性の高いスマートフォンやタブレットを一気に奪い取り逃走する「Smash and Grab」と呼ばれる強盗が、ドイツのベルリン市内のApple Storeで12月23日未明(現地時間)に発生した。6人の強盗が突撃に使った車を置き土産として残して、別の車2台で分乗して逃げる手口で、ベルリンではここ最近だけでも同種の強盗事件が6件発生しており、これが7件目にあたるという。

同件は9 to 5 Macが地元紙Bildの報道(ドイツ語)引用する形で紹介している。事件が発生したのはベルリン有数の繁華街で動物園(Zoo)駅の近くにあるApple Store。23日未明の午前4時15分ごろにOpel Corsaが同店舗入り口に突撃し、6人の強盗が展示されていたiPhone、iPad、Macを2台のAudiに分乗して持ち去っていったという。被害総額は10万ユーロほどで、Corsaの販売価格1.5~2万ユーロを差し引いてもまだ利益が出る水準だ。前述のように同種の強盗事件は付近のMedia Marktをはじめとしてベルリン内で最近多発しており、換金性の高い商品を扱う店舗としてターゲットの1つにされた格好だ。

「Smash and Grab」の事件としては、米ニュージャージー州で2009年に発生したものが有名だ。監視カメラの動画には、鮮やかな手つきで30秒ほどの間に50台近いデバイスを盗み出す様子が映されていた。「持ち運びやすいのに高価」というスマートフォンを狙う強盗やひったくり事件は多く、その中でも特に換金性が高く目立つ「iPhone」は狙われやすい傾向がある。iPhone 5発売時には、発売日直前の端末が大量入荷するタイミングを狙って丸ごと奪取する事件が同時発生して話題となった。筆者自身も一度米サンフランシスコ市内でバス搭乗中に強盗に襲われてiPhone 5を奪われたことがあるほか、その半年後に仏パリ市内の満員列車で買い換えたばかりのiPhone 5をスリ取られる事件(こちらはすぐに奪取して未遂)に遭うなど、比較的身近にある危険として考えている。