iPhone 5

日本ではiPhone 5発売当日の未明に大阪で計226台の発売前の製品が盗まれたことが話題になったが、英国では携帯ショップ店員が販売開始6時間半前に同製品252台を盗んだまま現在も逃走を続けている。それに合わせる形で米国では旧モデルiPhoneとiPadで10万ドル相当の盗難被害が出ており、高価で話題のスマートフォンは格好の盗難の的になったようだ。

読売新聞によれば、日本ではまず21日未明に大阪府茨木市鮎川のauショップ茨木鮎川店でシャッターがこじ開けられ、iPhone 5を33台、現金37万円が盗まれているのが発見されている。このほか、西区九条のソフトバンク九条店で116台、堺市西区で42台、神戸市西区で30台、滋賀県草津市で5台がそれぞれ盗まれ、合計226台、被害総額1390万円以上となっている。目撃証言では複数の人数が犯行に及んでいることが確認されており、明らかに転売による利益獲得を狙った計画的犯行だとみられている。盗まれた携帯は個々の製品の固有番号から盗難品との通達が出回っており、おそらく国内での利用や直接的な転売は不可能だとみられる。そのため、まだ販売がスタートしていない他のアジア地域など海外市場への転売が主な目的だと考えられている。

一方で、販売開始前に252台の大量盗難が発生したのが英国だ。Daily Mailによれば、携帯キャリアのO2 Storeの従業員だったパキスタン国籍で23歳のUsman Sethiが午前1時半、つまり販売開始前の6時間半前にすでに英ロンドンのウィンブルドン店舗に搬入済みだった252台の端末を持ち出し、現在も逃走を続けているという(容疑者の写真がDaily Mailのサイトに掲載)。被害総額は約17万ポンドで、国外逃亡の可能性があるとして、ロンドン警察は港や空港に緊急配備網を敷いて犯人検挙にあたっているという。

またApple Insiderによれば、iPhone 5発売直前にあたる9月19日、米テネシー州マーフィーズボロ(Murfreesboro)では、同市内Best Buy店舗にあった旧モデルのiPhoneならびにiPadが大量盗難され、10万ドル以上の被害が出ているという。店舗内に車を突入させるという荒っぽい方法で、8人の盗賊が監視カメラ映像により確認できているという。彼らの狙いが発売直前のiPhone 5だったかどうかは不明だが、旧モデルの製品でも価格があまり下がらないAppleの場合、金銭目的であればiPhone 5でなくても十分に役目を果たしていたようだ。

携帯電話は持ち出しやすい割に単価が高く、こうした大量盗難に比較的遭いやすい特性がある。特に話題の製品ということで、盗難被害のターゲットにされた形だ。同じく購入者から直接製品を強盗するケースも考えられるため、なんとか発売日にゲットできたユーザーは、こうした被害に遭わないよう気を付けてほしい。