ファイア・アイは12月16日、『サイバー世界大戦: 国家レベルの高度なサイバー攻撃の背景を理解する』と題するレポートの日本語版を公開した。同レポートでは、各国政府が実施しているサイバー攻撃の世界的および地域的な特徴について解説している。

同社によると、サイバー攻撃は、国家の主権を守り、国力を誇示するためのコスト効率の高い手段として位置づけられているという。また、特定の地域から行われるサイバー攻撃には、様々な特徴特徴が見られる。

アジア太平洋では、「コメント・クルー(Comment Crew)」などの大規模な官製ハッカー集団の拠点が存在。「人海戦術」による大規模な攻撃を執拗に繰り返す特徴がある。

一方、ロシア/東欧では技術的に高度で、検出を免れる能力に優れているという。さらに、中東では、は創造性や策略、ソーシャル・エンジニアリングを駆使してユーザーを騙す技能が長けている。

最後に米国では、最も巧妙で用意周到なサイバー攻撃が行われており、高い精度でターゲットを狙い撃ちするという。

また、レポートでは、世界のサイバー・セキュリティの動向に短中期的な変化をもたらす可能性がある要因として、「サイバー攻撃による基盤インフラの機能停止」や「サイバー攻撃の実施を抑制するサイバー兵器条約の締結」「PRISM問題に端を発するプライバシーへの懸念」「セキュリティ対策をすり抜けるための検出回避技術の開発強化」などを挙げている。