矢野経済研究所は、国内のBAS(ビルディング・オートメーション・システム)およびBEMS(ビルディング&エネルギー・マネジメント・システム)市場の調査を実施、その調査報告書を12月6日に発表した。

BEMS・BAS 市場規模推移と将来予測 資料:矢野経済研究所

調査は、2013年9月から11月、計装メーカー、電機メーカー、ゼネコン・サブコン・エンジニアリング、設計事務所、デベロッパーを調査対象に、同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用する方法で行われた。

調査におけるBEMS・BAS市場とは、従来のBASに加え、BEMS機能を付加したBASや、web環境でサービスを提供するクラウド型BEMSも対象とした。

調査によると、2012年度のBEMS・BAS市場規模は469.3億円(前年度比5.9%増の伸長)、建物内クローズドシステムである大規模ビル用オンサイト型BEMS・BASが市場を下支えするとともに、web環境でサービスを提供する中規模ビル用クラウド型BEMSが市場の裾野を拡大。2013年度の同市場規模は、国の補助金活用もあって、514億円(前年度比9.5%増)とさらに拡大すると予測。

また、省エネルギーや節電要請の強化によって、これまでのように大規模ビルに導入するだけでなく、新たに中規模ビルにもBEMSを導入する動きが活発化。大規模ビルでは、システムの大型化と高度化により、BEMS・BASのシステム単価が増大、中規模ビルでは、ビルの数がもともと多いことから、国の補助金をてこにBEMSアグリゲーター(エネルギー利用情報管理運営者)により需要開拓が進められ、BEMS導入システム数が拡大。

同社では、今後、クラウド型BEMSのシステム形態が定着してユーザーが導入しやすくなることにより、BEMS・BAS市場は2018年度には565億円(2012年度比20.4%増、メーカー販売金額ベース)に拡大すると予測している。