SaaS型Web接客サービス「ライブエンゲージ」を提供する米LivePersonは12月4日、10月10日に日本法人「ライブパーソンジャパン」を新たに設立し、国内市場で本格的に展開すると発表した。同時に、電通国際情報サービスおよび電通レイザーフィッシュと戦略的パートナーを締結したことも発表した。

「ライブエンゲージ」は、Webサイト上のユーザーの行動をモニターし、「ページ間を何度も往来する」「同じページにずっと留まっている」といった傾向を捉えると、チャットを用いてオペレータと対話するための招待画面の提供や、パーソナライズされたコンテンツの表示を行うSaaS型サービス。

「ライブエンゲージ」

これにより、Webを訪問したユーザーの疑問や不安を解消でき、購買行動に移行するコンバージョン率アップを図ることができる。

処理の流れ

このサービスは、サイト内にタグを埋め込むことで実現され、どういう行動をすれば、招待画面が提供されるかは、独自のアルゴリズムによるという。また、企業が保有する独自の顧客情報とリンクさせることも可能だという。

米LivePersonのロバート・ロカシオ(Robert LoCascio)創設者兼CEO

米LivePersonのロバート・ロカシオ(Robert LoCascio)創設者兼CEOは、「ライブエンゲージはデジタルの『おもてなし』だ。日本には、米国にはない『おもてなし』の概念がある。そのため、このサービスは非常に日本にマッチしている。日本の企業はサイトに誘導するための対策は行っているが、コンバージョン率上げる対策はしていない。ライブエンゲージでは、購入の検討している顧客に対し働きかけをすることで、高いコンバージョン率を発揮させることができる」と述べた。

同社は2013年5月、コールセンター大手、もしもしホットラインの部分所有子会社であるヴィクシアと提携し、日本市場に参入しているが、今回新たに電通レイザーフィッシュおよび金融機関など大手企業のシステム構築を手掛ける電通国際情報サービス(ISID)と新たに提携した。

ライブパーソンジャパン 代表取締役 深沢明生氏

国内販売については、当面この3社を通じて販売され、日本法人はこれら3社のサポートを中心に業務を行う。

ただ、ライブパーソンジャパンの代表取締役の深沢明生氏によれば、今後は直販部隊も編成し、自ら販売も行うことも視野に入れているという。

同社のサービスは、金融、通信、旅行、リテール、IT業界に比較的多く利用されているが、国内は金融を中心に市場拡大を図っていくという。