Raspberry Pi FoundationとWolfram Researchは21日(米国時間)、米ニューヨークで開催中のCBM (Computer-Based Math) Education Summitにおいて、Raspberry Pi向けのOS「Raspbian」にWolframの「Wolfram Language」のパイロットリリースと「Mathematica」をバンドルすると発表した。

Mathematicaは、数値計算や数式処理からグラフィックス処理、プログラミングまで科学技術計算やエンジニアリングに関する幅広い機能を統合したソフトウエアである。またWolfram Languageは、Mathmaticaのインターフェイス言語に用いられているマルチパラダイム言語である。

1988年にMathematicaがリリースされた時にはMacのハイエンドモデルでしか動作しなかったが、今では全てのPCで利用できるようになり、そして今回のRaspberry PiへのバンドルでMathematicaの世界が組み込みにも広がることになる。Stephen Wolfram氏によると、Raspberry Piではコマンドライン版のWolfram Languageはきびきびと動作するものの、ノートブックインターフェイスを用いたMathematicaは動作が重くなる。そのためPredictive Interfaceなど、特に動作を遅くする一部の機能を無効化したという。フル機能を軽快に利用することはできないものの、それでも「25ドルのコンピュータでMathematicaが初めて動作するのだから、これは見物である」としている。

Mathematicaで3Dグラフを作成

ヘヴィサイドの階段関数を用いてバットマン・ロゴ

Raspberry Piは、まもなくRaspbianイメージにWolfram LanguageとMathematicaを統合して出荷する予定だ。また既存ユーザーもSDカードに600MB以上の空き容量があれば、「sudo apt-get update && sudo apt-get install wolfram-engine」と入力してインストール可能。MathematicaにはアプリケーションランチャーのEducationメニューからアクセスできる。