角川アスキー総合研究所は11月18日、大阪市内50カ所で実施した「スマートフォン回線速度調査(大阪市内)」の結果を発表した。

同調査は携帯キャリア各社のiPhone/Androidスマートフォンを利用し、大阪市内で多くの人が集まる場所や主要なビジネススポット、観光スポット計50カ所で、通信速度を計測したもの。調査期間は2013年11月6日から12日までの土日を除く平日5日間。

調査に利用したスマートフォンは、NTTドコモの「iPhone 5c」「ARROWS NX F-01F」、KDDI(au)の「iPhone 5c」「Xperia Z1」、ソフトバンクモバイルの「iPhone 5c」「AQUOS PHONE Xx 206SH」。速度計測には「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用。1機種につき1調査地点でダウンロード/アップロード速度をそれぞれ3回計測し、その平均値を記録した(1回の計測値に大きな差がある場合は5回計測し、中央3回の平均値を記録)。調査の詳細は同社Webサイトで確認できる

平均ダウンロード速度は34.03Mbps 大阪市内はドコモが首位に

50カ所の平均ダウンロード速度は、34.04Mbpsのドコモがトップ。22.31Mbpsのau、18.83Mbpsのソフトバンクを10Mbps以上上回った。iPhone 5cは33.82Mbps、Androidスマートフォンは34.25Mbpsで、ともにドコモが最も速かった。

平均ダウンロード速度

この結果について角川アスキー総合研究所は、ドコモが9月より東名阪で推進する、1.7GHz帯を利用した下り最大150MbpsのLTEサービスの成果が現れたかたちと評価している。他の2社については、両者ともにおおよそ20Mbps前後だったが、ソフトバンクのAndroidスマートフォンのみ17.31Mbpsと他に遅れをとった。

平均アップロード速度についても全体ではドコモが10.05Mbpsでトップ。auは9.79Mbps、ソフトバンクは7.05Mbpsという結果だった。ただし、iPhone 5cに限定した場合はソフトバンクが9.82Mbpsでトップだった。またソフトバンクのAndroidスマートフォンの結果が4.28Mbpsと他社と倍以上差をつけられた。

ダウンロード/アップロードともに、ソフトバンクのAndroidスマートフォンの結果が振るわなかったが、これはLTE回線に接続できず、3G回線での計測になったことが要因だったという。

平均アップロード速度

ダウンロード速度においてドコモは、50カ所の調査地点のうちiPhone 5cでは9カ所、Androidスマートフォンでは17カ所でトップを記録。半数以上の調査地点で他社の速度を抑えた。加えてドコモは、NU茶屋町、HEP FIVE、グランフロント大阪など「キタ」と呼ばれる地域近辺の多くの人が集まるスポットで50Mbpsを超える速度を記録。今宮戎神社や扇町公園など観光スポットも同様で、JRの駅ホームでもおおむねドコモが速かったという。

一方、アップロード速度については、ソフトバンクが16カ所でトップを記録。しかし、平均アップロード速度の順位はドコモがトップとなっている。これは、ドコモのAndroidスマートフォンが、梅田近辺や市内周辺の観光スポットなどで20Mbps前後の高数値を記録したためだという。

このほか、なんばや心斎橋など「ミナミ」と呼ばれる地域や地下鉄・私鉄の駅ではダウンロード/アップロードともにいくつかの地点を除いてauおよびソフトバンクが健闘したとしている。

今回の調査では、ドコモがダンロード/アップロードともにトップとなった。同調査では、この結果の要因のひとつとして、ドコモが東名阪で展開する1.7GHz帯を利用した下り最大150MbpsのLTEサービスの効果を挙げている。ドコモでは、2013年12月末までに山手線全駅を150Mbpsエリア化することを明らかにするなど東京でのエリア拡充も積極的。今後、東京、名古屋でも回線速度の向上が期待できそうだ。