トランプゲームによる実験結果

「バイ菌・感染症から家族を守る 徹底!手洗いラボ」はこのほど、感染症指導医である聖マリアンナ医科大学内科学総合診療内科准教授・國島広之先生の監修の下、日常生活でいかに手を介して菌・ウイルスが拡散するかの実証実験結果を発表した。

85%の確率で菌・ウイルスが手に付着

同団体は、インフルエンザウイルス、RSウイルス、ノロウイルスなどの感染症や食中毒について、東北大学大学院医学系研究科 賀来満夫先生を中心とした感染症学の専門家が小児科医、幼稚園・保育園、企業などと連携しながら、感染症・食中毒の接触感染のリスクと正しい手洗い方法を生活者に伝えていくことを目的に設立された研究所。

実証実験は、日常生活でどのように手を介し菌・ウイルスが拡散するかを調査するために、実際に手を使ったゲーム、トランプを用い実施。トランプゲームの定番「ばば抜き」をした場合、メンバーの中に、菌・ウイルス保持者がいたらどうなるのかを、ブラックライトで光る蛍光塗料を菌・ウイルスと見立てて行った。なお、トランプは1回の実験ごとに新品に交換した。

ばば抜き2回プレイ後の手とカードの汚染状態

「ババ抜き」を5回実施したところ、5回とも非感染者役の被験者の手に蛍光塗料が付着していた。割合でみると、非感染者の4人中、平均3.4人(85%)の確率で、塗料が非感染者役の被験者にまで付着していたことが確認された。また、1回のゲームで使用したトランプ計53枚中、平均21.6枚(40.8%)が塗料で汚染され、手から手を介して簡単に菌・ウイルスが広がることが分かった。

手洗い前(左)と手洗い後(右)の、寒天培地による生菌量比較

上記の結果から、同研究所では、手から手を介して拡散する感染症を防ぐためには、せっけんを使った手洗いが大切であり、特に家に帰った後や食事の前には、殺菌力のある薬用せっけんや薬用ハンドソープをつけてよく泡だて、30秒程度時間をかけて隅々まで洗うことが重要と解説している。

実験の詳細や正しい手の洗い方についての解説は「徹底!手洗いラボのプレスリリース」で閲覧できる。