公益財団法人日本デザイン振興会は7日、2013年度グッドデザイン賞を受賞した作品群の中から「グッドデザイン大賞」を選出する予定であったが、今年度は該当なしとなったことを発表した。
「グッドデザイン大賞」は、10月1日に10点の候補作品が公開されており、11月4日まで開催されていた展覧会「グッドデザインエキシビション」会場では一般投票も実施していたが、7日の記者発表会において、今回は大賞に該当する作品はなかったとの発表が行われた。大賞の選出が行われなかったのは今回が初めてとなる。
従来、大賞(総理大臣賞)作品は「グッドデザインエキシビション2013」における来場者投票や審査員による審査で最多の投票を得たものを日本政府に申請し、認可を得る形で決定してきた。今回も同様に最多投票を得たGoogleが提供する総合モバイル地図アプリケーション「Googleマップ」(モバイル版アプリ)を申請したが、日本政府から「最も優れたデザインとは認めがたい」との返答があったという。
そこで、同振興会は、「グッドデザイン賞の審査において高く評価されると共に、多くの生活者からの高い評価を得たデザインに贈られる」賞としてグッドデザイン賞の特別賞「グローバルデザイン2013」を新設。同賞の該当作品として、「Googleマップ」を選出した。
審査委員会は、今回の特別賞について、「広く普及している地図アプリケーションであるが、ナビゲーションや検索のユーザインタフェースが大幅に改善されるなど着実に進化している。携帯電話の画面という限られた領域を効果的に使うための工夫が成されており、地図と情報を同時にみる際などの利便性が向上している。国ごとのこまかなカスタマイズがなされている。細部までよく吟味されユーザ視点に立った優れたインタラクションデザインである」とコメントしている。
また、「グッドデザイン大賞」候補として発表されていた、「Googleマップ」以外の9点の候補作品は以下のものとなる。
照明器具「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE」三宅デザイン事務所 |
椅子「HIROSHIMA フォールディングチェア」マルニ木工 |
Curved OLED TV「EA9800」LG Electronics, Inc. |
ロケット「イプシロン」宇宙航空研究開発機構 |
なお、2013年度の「グッドデザイン大賞」が該当なしとなった経緯と理由について、日本デザイン振興会のコメントをまとめた記事を掲載しているので、併せて参照してみてほしい。