情報通信研究機構(NICT)ユニバーサルコミュニケーション研究所は、所在地の京都府精華町の広報キャラター“京町セイカ”の立体映像を表示するテーブル型裸眼3Dディスプレイ「fVisiOn(エフ・ビジョン)」を開発し、11月7-9日に同町で開く「けいはんな情報通信フェア2013」で披露する。さらにインターネットでも7日から、“京町セイカ”がテーブル上で会場の案内をしている様子を発信し、広報活動の波及効果を調べる。

「fVisiOn」は、すり鉢状のアクリル素材のスクリーン(光学素子)をテーブルガラスの下に配置し、その周囲から103台のプロジェクターで映像を投影して、高さ5センチメートルほどの立体映像をテーブル面に浮かび上がらせる。見る人は特別なメガネなしで、数人が同時にテーブルの周りから観察できる。立体映像のそばに鏡を立てると、側面や裏側も見ることもできるので、テーブルの中央に置かれた物体のように感じてしまう。

このため、テーブル上に紙の資料や実物の模型の横に立体映像を並べて映し出すことができる。テーブルを囲んでの議論や作業、家族ゲームといったことだけでなく、医療現場での事前の検討や患者さんとのコミュニケーション、3Dの地図を使った防災訓練や街中の交通管制などにも活用できるという。

「けいはんな情報通信フェア2013」では、テーブルの上に現れた“京町セイカ”が身振り手振りを交えて、音声合成技術で作った“自らの声”で自己紹介や同フェアの来場者案内をする。同研究所では、こうしたネット発信を含めた活動を通して、「fVisiOn」の社会的な受け入れ方や広報の効果などを検証する。

写真(下):「fVisiOn(エフ・ビジョン)」で再生された立体映像。鏡に写すこともできる。
(提供:情報通信研究機構(NICT))

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