日本IBMは10月23日、総務省が公示した「情報流通連携基盤の観光・防災情報における実証」において、同社が採択されたとを発表した。

同社では、今回受託した情報流通連携基盤の観光・防災情報における実証を平成25年度に京都市で実施。実証プロジェクトでは、総務省が実証する実証プロジェクトの一つのモデルケースとして、観光情報、防災情報及びモビリティ(移動)情報を、情報流通連携基盤共通APIを通して公開することで、様々なアプリケーションの開発が促進されることを実証する。

プロジェクトにおいては、ジョルダンと公益財団法人 京都高度技術研究所(ASTEM)とも協力し、走行中の車の位置移動情報(プローブ情報)や観光地情報など、情報流通連携基盤を通して公開された多様なオープンデータを活用し、目的地までの車や公共交通機関の最短移動時間、駐車場情報や最も安価な乗換情報などを市民や観光客に提供し、遅延も考慮した高度なナビゲーションを実現する予定となっている。

同プロジェクトでは「高度なナビゲーション・システム」「観光案内ナビゲーション・システム」「災害時のナビゲーション・システム」といったアプリケーション機能を予定している。

高度なナビゲーション・システムでは、プローブ情報や駐車場の位置や空満情報をリアルタイム分析するストリーム・コンピューティング技術を活用し、郊外から車を使って来訪するドライバーに目的の観光ルートに最適駐車場や公共交通への乗り換えをガイドするなど、高度なナビゲーションを提供する。

観光案内ナビゲーション・システムでは、観光地についての情報や公共施設、宿泊施設の情報を活用し、タイムリーに今いる場所や目的地周辺の情報を提供することで、公共交通で移動中でも観光を満喫できるようにする。

災害時のナビゲーション・システムでは、避難所情報や帰宅支援ステーションといった防災関連情報を活用し、自然災害など有事の際に、市民や観光客に避難先や最適な避難経路などを提供する。

京都市は「歩くまち・京都」憲章の実現に向け、市民や観光客が過度に自動車に頼る状態から人と公共交通を優先するような情報提供のあり方や新たな情報サービスを検証するために協力。同市で実証されるこのような観光・防災・交通情報に関するアプリケーションとそれを支えるオープンデータ基盤モデルは、他の観光都市へも適用できると考えられている。