STMicroelectronicsは10月21日、スマートグリッド向けにスマートメータ用SoC「STCOMET10」を発表した。

同製品は、さまざまな要件に合わせて柔軟にプログラムして信号処理を実現する高精度な電力計測機能と、先進的な暗号化機能を内蔵した電力線通信(PLC)サブシステムを1チップ化したもの。独自のプラットフォームを採用することで、スマートメータ設計の簡略化、開発期間の短縮、および部品点数と部材コストの低減を実現する。また、同製品はフランスで実施されている2700万ユーロ規模のSOGRIDプロジェクトにおいて重要な役割を果たしており、スマートグリッドアプリケーションをサポートする包括的な通信システムに採用されている。

具体的には、複数のプロトコルを管理するための完全にプログラマブルな専用のPLC信号処理エンジン、ARM Cortex-M4をベースにしたアプリケーション処理サブシステム(プログラム格納用フラッシュメモリとRAMを内蔵)、3チャネルの電力計測用アナログデジタルフロントエンド、セキュリティエンジンを搭載している。METERS AND MORE、G3-PLC、IEEE 1901.2、PRIMEなどの重要なPLCプロトコルに対応することで、世界規模の展開と、今後策定される新しいプロトコルへの対応に向けた遠隔操作による再設定が可能であり、長期的な運営コストを抑えることができる。

電力計測用サブシステムは、Class 0.2のメータ要件を上回る性能を持ち、3チャネルの24ビットA/Dコンバータ(ADC)、内蔵フィルタ、および電力演算用のプログラム可能なハードワイヤードDSPを搭載する。内蔵のPLCエンジンは、最大28V(p-p)の出力信号に対応しており、帯域幅も最大500kHzまで拡張されている。さらに、専用のセキュリティエンジンは、最先端の暗号化機能と複数のセキュリティモデルに対応し、プライバシー保護およびアンチハッキング保護を実現している。

なお、パッケージは20mm×20mm×1mmサイズのTQFP。2014年初旬より量産を開始する予定。

STのスマートグリッド向けスマートメータ用SoC「STCOMET10」