DragonFly BSD was originally forked from FreeBSD 4.8 in June of 2003.

DragonFly BSDの発起人のひとりであり主要開発者でもあるMatthew Dillon氏がメール「Update on recent SMP contention work」において、最近取り組んでいた開発結果をマージしたとしており、これはプロジェクトにとって大きなマイルストーンになるものだという認識を示した。次のリリースにはこの開発成果物が統合されることになり、大規模なマルチコアシステムにおいて大幅な性能向上が実現することになる。

DragonFly BSDはFreeBSD 4から派生したオペレーティングシステム。FreeBSDはFreeBSD 5からマルチコア/メニーコアシステムに対応するために内部構造の変更を進めるが、DragonFly BSDは当時のFreeBSD 5で採用していたのとは異なるアプローチでマルチコア/メニーコア対応を進めるためにFreeBSD 4をベースとしてスピンアウトしていった。FreeBSD 6、FreeBSD 7とマルチコア/メニーコア対応を進めるFreeBSDと比べると、DragonFly BSDの方は実装が遅れていた感があった。

今回同氏が取り組んだ開発の結果、マルチコア/メニーコアシステムにおいてこれまで発生していたさまざまなコンテンションが発生しなくなったという。ネームキャッシュ共有ロックの改善、適切なロック実装への変更、ファイルシステムシンカーの改善、ロックコンテンションの削減によるfork(2)/exec*(2)系処理の高効率化などが実施されている。