日産自動車とニッサン・モータースポーツ・インターナショナルは10月17日、電力駆動レーシングカー「Nissan ZEOD RC(Zero Emission On Demand Racing Car:ズィーオッド アールシー)」を、日本で公開した。

同マシンは、日産が将来的に参戦を計画しているルマンプロトタイプ1(LMP1)クラスに向けた新しい電気自動車技術の開発のために作りだされたテスト車両で、ル・マン24時間レースの主催者であるACO(西部自動車クラブ)から、革新的な技術を披露するマシンのための特別エントリー枠「ガレージ56」が与えられており、2014年の同レースへの参戦が予定されている。

今回公開されたマシンは、2013年のル・マン24時間レースの際に発表された展示用プロトタイプに比べ、新型冷却インテークの採用やエアロダイナミクスの変更など、大幅な改良が施されている。

なお、同マシンは、同社の電気自動車「日産リーフ」をベースとしたEVレーシングカー「Nissan LEAF NISMO RC」の開発を通じて得た各種技術を活用しており、ル・マン24時間レースが開催される8.5マイルのサーキット1周を電力だけで走行することが可能であり、最高速度も時速300km以上に達するというほか、電力駆動と小型軽量ターボエンジン駆動を切り換えることで、ブレーキ回生により、バッテリーに充電することも可能となっている。

なお、同マシンは10月20日に決勝が行われるFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦の会場である富士スピードウェイにて間近で見ることが可能だという。また今後は、ルーカス・オルドネス氏とミハエル・クルム氏がテストドライバーとして、同マシンの開発に関わっていく予定だという。

日産自動車とニッサン・モータースポーツ・インターナショナルが開発した電力駆動レーシングカー「Nissan ZEOD RC」