NTTデータは10月15日、非構造化データ分析技術を用いたクレジットカード加盟店審査業務の高度化に関する実証実験を開始した。同社が開発した加盟店審査プロトタイプシステムを三井住友カードに提供し、同社の加盟店審査業務における実務検証を通じて業務の自動化・効率化の検討を進める。実証実験は、約2か月に渡って実施する予定。

実証実験のシステム概要

今回構築するシステムは、米マークロジックのEnterprise NoSQL Database「MarkLogic Server」による開発基盤を軸に、NTTデータのエンリッチ化技術を組み込んだプロトタイプとなっている。

また、同社の「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」のサービスを利用してトライアル環境や外部データの提供を行う。

加盟店の審査を行う際に、さまざまな情報を参照・分析して総合的な判断が行われるが、特に「非対面先」と呼ばれる実店舗を持っていない加盟店(EC加盟店、スマホ加盟店など)に関しては、従来の加盟店審査と比較して情報参照先が多岐にわたる。

これら多岐にわたる情報分析を、加盟店審査部門がいかに正確かつ効率的に実施することができるかをポイントに、「情報収集機能」「審査用データベース構築機能」「ダッシュボード表示機能」などを実装するという。

NTTデータでは、今後さらに審査対象先の予兆検知を行う仕組みの検討や、審査時に蓄積される審査結果データの統計解析にもとづく加盟店審査モデルを策定することで、将来的には自動審査の実現も視野に入れて研究を進めていく。

同実証実験を通じて開発したシステムについては、将来的に広くクレジット業界へ拡大展開していく予定としている。