Texas Instruments(TI)は10月15日、TVやサウンドバー、携帯型ドッキングステーション、Bluetoothスピーカ、アフターマーケット用車載オーディオ製品などの中出力型ステレオオーディオ機器向けに、デジタル入力クローズドループI2Sアンプ「TAS5760xx」4品種を発表した。

同製品はTHD+N特性が1W出力時に0.03%、クロストークが-92dB、アイドルチャネルノイズが66μVの他、80dBのPSRR(電源電圧変動除去比)を提供するクローズドループアーキテクチャを内蔵し、電池出力の変動時にも、アンプが一定の出力を提供する。

また、携帯型ドッキングステーションやBluetoothスピーカなど、充電レベルが変化するシステムで、低コスト電源の使用が可能になる。さらに、導通時抵抗RDS(on)が120mΩと小さく、周囲温度が高い環境で動作する最近の民生用オーディオ製品向けに放熱特性を改善できる。加えて、スイッチング周波数が最大1.2MHzと高く、EMIの低減が可能なのに加え、小型の出力フィルタも使用できることから、BOMコストと基板面積が低減できる。この他、4.5V~26.4Vと広い電源電圧範囲をサポートしており、電池と商用電源のいずれの場合でも、大半の中出力型オーディオ製品の電源要件に対応する。そして、ソフトウェア型(I2C)とハードウェア型(GPIOピン)の制御モードにより、各種設定を柔軟に行えることから、マルチチャネルシステム設計をサポートする。

なお、パッケージは、12mm×8mmの48ピンTSSOP。価格は1000個受注時で、ヘッドホンアンプを内蔵した最大電源電圧26.4Vの「TAS5760MD」が3.09ドル、ヘッドホンアンプなしで最大電源電圧26.4Vの「TAS5760M」が2.79ドル、ヘッドホンアンプを内蔵した最大電源電圧16.5Vの「TAS5760LD」が2.89ドル、ヘッドホンアンプなしで最大電源電圧16.5Vの「TAS5760L」が2.59ドル。また、「TAS5760M/5760L」は9mm×6mmの32ピンTSSOPでも供給中。さらに、評価モジュール「TAS5760xxEVM」を99ドルで供給している。同評価モジュールには、オーディオ製品の評価、設定、デバッグを簡素化するControlConsoleグラフィカル開発スイートが同梱されている。ControlConsoleのGUIは、「TAS5760xx」の全機能の迅速な評価を可能にし、開発期間を短縮する。また、基板のシグナルインテグリティ検証ツールとしてIBISモデルも供給中。

TIのカーオーディオ機器向けデジタル入力クローズドループI2Sアンプ「TAS5760xx」