IDC Japanは10月10日、国内リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)市場およびアプリケーションサーバー市場の予測を発表した。

調査によると、2012年の国内RDBMS市場規模は1,775億7,100万円となり、前年比7.0%の成長。また、同年のアプリケーションサーバー市場規模は655億8,500万円で前年比5.7%の成長となった。

国内RDBMS/アプリケーションサーバー市場 売上額構成比予測(2012年から2017年) 資料:IDC Japan

同調査では、SaaS/PaaS/IaaSを活用するシステムを「第3のプラットフォーム」、それ以外を「第2のプラットフォーム」と呼び、ユーザー調査およびベンダー取材の両面から、RDBMS市場とアプリケーションサーバー市場に及ぼす第3のプラットフォームの影響を分析。

この分類に基づく2012年における国内RDBMS市場規模に占めるプラットフォーム別売上構成比は、第2のプラットフォームソフトウェアが95.8%、第3のプラットフォームソフトウェアが4.2%。同様、2021年における国内アプリケーションサーバー市場規模のプラットフォーム別売上構成比は、第2のプラットフォームソフトウェアが88.3%、第3のプラットフォームソフトウェアが11.7%。

国内RDBMS市場は、2012年から2017年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)8.1%で2017年の売上規模は2,619億1,500万円にまで成長すると予測。2017年の同市場における第3のプラットフォームソフトウェアの売上が市場全体に占める割合は、9.2%にまで成長すると予測された。

国内アプリケーションサーバー市場は2012年から2017年のCAGR6.4%、2017年の売上規模は895億3,000万円にまで成長すると予測。2017年の同市場における第3のプラットフォームソフトウェアの売上が市場全体に占める割合は、23.2%にまで成長すると予測している。

各市場における第3のプラットフォームソフトウェアの売上額が市場全体に占める割合は、2012年時点ではまだ小さいが、2012年から2017年にかけては売上の二桁成長が見込まれ、第2のプラットフォームソフトウェアの成長は第3のプラットフォームソフトウェアの成長と比べて穏やかなものとなる見込み。

この背景として、「第2のプラットフォームソフトウェアの市場成長には、汎用サーバー上で稼働するソフトウェアが垂直統合システムに集約されるという材料が影響。また、PaaSの市場規模とその成長は一部のベンダーがけん引するものであり、現在の顧客の選択肢が限られていることも影響している。しかし、垂直統合システムはベンダーロックインなど顧客に嫌気されるリスクもあるため、ベンダーは現在の事業基盤である第2のプラットフォームソフトウェアで収益を上げつつ、第2のプラットフォームへ経営リソースをシフトする準備を行うべきである」とIDCでは分析している。