財務省は8日、2013年8月の国際収支(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は1,615億円の黒字となったものの、黒字幅は前年同月と比べて2,833億円(63.7%)減少した。貿易収支の赤字幅が8月として過去最大となったことが影響した。

貿易・サービス収支は1兆392億円の赤字で、赤字幅は前年同月より1,589億円拡大した。赤字は17カ月連続(季節調整値ベースでは30カ月連続の赤字)。

貿易収支は8,859億円の赤字で、赤字幅は前年同月比より2,223億円拡大。赤字は14カ月連続で、8月としては過去最大となる。自動車や有機化合物を中心に輸出が増加したものの、原粗油や半導体等電子部品を中心とした輸入の増加が上回ったことが影響した。

国際収支(出典:財務省Webサイト)

輸出額は前年同月比6,816億円増の5兆5,267億円で、6カ月連続の増加。輸入額は同9,039億円増の6兆4,126億円で、10カ月連続の増加となった。

また、同省関税局がまとめた8月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比7,385億円増の5兆7,829億円。主要地域別では、対米国が同1,826億円増、対中国が同1,528億円増などとなった。商品別では、自動車が同1,379億円増、有機化合物が同901億円増などとなった。

輸入額は前年同月比9,329億円増の6兆7,458億円。主要地域別では、対中東が同2,295億円増、対中国が同2,135億円増などとなった。商品別では、原粗油が同2,573億円増、半導体等電子部品が同665億円増、衣類・同付属品が同587億円増などとなった。

サービス収支は1,533億円の赤字で、赤字幅は前年同月より634億円縮小した。その他サービス収支は黒字幅を縮小したのに対し、訪日外国人数が増加するなどして、輸送収支、旅行収支が赤字幅を縮小した。

所得収支は1兆2,530億円の黒字で、黒字幅は前年同月より1,389億円(10%)縮小した。配当金の受取増加などにより証券投資収益が増加したものの、配当金・配分済支店収益の支払増加などにより直接投資収益が減少したため、黒字幅は9か月ぶりに縮小した。

一方、資本収支は1,805億円の流出超となった(前月8,618億円の流出超)。