公開初日を迎えた映画『地獄でなぜ悪い』の舞台あいさつが28日、東京・新宿バルト9で行われ、主演の國村隼をはじめ堤真一、長谷川博己、二階堂ふみ、友近、園子温監督が出席した。

左から園子温監督、二階堂ふみ、堤真一、國村隼、長谷川博己、友近

本作は、カナダで行われた第38回トロント国際映画祭でミッドナイト・マッドネス部門の観客賞を受賞するなど、世界の映画祭で注目を集めている園子温監督の最新作。ヤクザの組長である武藤(國村隼)が娘のミツコ(二階堂ふみ)を主演にして映画狂の青年(長谷川博巳)を迎え、抗争中の組への殴り込みを舞台に映画を作るという、娯楽作にして痛快無比のウルトラ・アクション活劇に仕上がった注目作だ。

主演の國村は「初日から地獄へようこそ」と話して観客を沸かせながら、「皆さんの顔を見て、ちゃんと(映画が)届いて楽しんでいただけたと安心しています。初日から本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。さらに娘・ミツコ役の二階堂ふみに「あなたのお父さんでしたが、ミツコから見て武藤はいいお父さんでしたか?」と投げ掛けると、二階堂は「イーブンパー」と微妙な回答。だが、「すごく素敵な方で本当に優しくて、森のシーンで体調が悪くなった私に気が休まる水をかけてくれて、癒されました」と國村に感謝しきりだった。

また、舞台あいさつ中にサプライズでトロント国際映画祭のトロフィーと賞状が届き、園監督とキャスト陣に初披露。園監督は開口一番「シャレてますね」と感想を述べた後に「この賞はハリウッドに一番近く、エンタメ映画の最前線で競い合う賞。僕が一番欲しかった賞なんです。勝負に勝った感じでうれしいですよ。17年間も温めてきましたから、こうやって陽の目を浴びてうれしいです」と感慨にふけっていた。