三鬼商事は13日、2013年8月末時点における東京ビジネス地区(以下、都心5区/千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)の最新オフィスビル市況を発表した。

調査対象は、都心5区内にある基準階面積が100坪以上の主要貸事務所ビル(データが公表されていない賃貸事務所ビルなど除く)で、調査対象ビル数は、新築ビル24棟、既存ビル2,625棟の計2,649棟。

それによると、都心5区の8月末時点の平均空室率は前月比0.13ポイント減の8.16%となり、2カ月連続で低下した。8月は新築ビル1棟が募集面積を残して竣工したものの、既存ビルの大型解約の動きが少なかったため、都心5区全体の空室面積はこの1カ月間に約8,400坪減少したという。

新築ビルの8月末時点の空室率は前月比5.21ポイント増の17.93%。高稼働していた大規模ビル1棟が既存ビルの区分にシフトしたほか、新築ビル1棟が募集面積を残して竣工したことで、空室率が上昇した。

既存ビルの8月末時点の空室率は前月比0.22ポイント減の7.98%となり、8か月ぶりに7%台に改善。解約の影響が少ない中、大型空室の一部が減少したことを反映したと見られる。

地区別平均空室率を見ると、千代田区は前月比0.15ポイント減の6.44%、中央区は同0.13ポイント減の8.20%、港区は同0.19ポイント増の9.73%、新宿区は同0.53ポイント減の9.77%、渋谷区は同0.57ポイント減の5.81%となった。

東京ビジネス地区 地区別平均空室率(出典:三鬼商事Webサイト)

一方、都心5区の8月末時点の平均賃料は1万6,268円で、前年同月比では2.78%(465円)減、前月比では0.26%(42円)減となった。同地区のオフィスビル市場では、平均空室率は改善傾向にあるものの、依然として割安感のあるビルへの需要が多く、平均賃料は小幅な下落が続いている。

新築ビルの平均賃料は2万5,578円で、前年同月比では11.01%(2,537円)増、前月比では3.00%(790円)減少した。既存ビルの平均賃料は1万6,102円で、前年同月比では2.87%(475円)減、前月比では0.17%(28円)減となった。

地区別の平均賃料を見ると、千代田区は前月比0.09%(16円)減の1万7,634円、中央区は同0.90%(139円)減の1万5,279円、港区は同0.05%(9円)減の1万6,816円、新宿区は同0.41%(56円)減の1万3,758円、渋谷区は同0.12%(21円)減の1万7,021円となった。

また、地区別の平均賃料を前年同月比で見た場合、最も下げ幅が大きかったのは中央区で前年と比べて4.36%(697円)の下落。以下、千代田区の2.85%(518円)減、港区の2.79%(482円)減、新宿区の2.64%(373円)減、渋谷区の0.74%(127円)減と続いた。