Salesforceの導入、及びシステム開発を主要な事業とするテラスカイと、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のインテグレーション専業のサーバーワークスは、ともに第三者割当増資を行い、それを互いに引き受けることで資本業務提携を行うと発表した。

これにより、テラスカイはサーバーワークス株式の約34%を取得する一方、サーバーワークスはテラスカイの約11%の株式を取得する。

資本業務提携の概要

テラスカイ 代表取締役社長 佐藤秀哉氏

テラスカイ 代表取締役社長 佐藤秀哉氏は、「サーバーワークスの大石社長と1年前から話をする中で、一緒にやっていこうということになった」と説明。

そしてその背景を「クラウド市場は急拡大しており、今後、クラウドはもっと深い使い方になる。しかし、単一のプラットフォームですべてを動かすのは難しく、複数のクラウド基盤を組み合わせて利用することになるだろう。クラウド同士をつなぐ、ハイブリッドの時代になる。そうなれば、複数の基盤を扱え、その実績があるSIerだけが生き残る時代になる」と解説した。

サーバーワークス 代表取締役社長 大石良氏

一方、サーバーワークス 代表取締役社長 大石良氏は「当社だけでは、AWSに限定したソリューションしか提供できないが、Salesforceに強みを持つテラスカイさんと協力してアプローチすることで、フルスタック型のクラウドインテグレーションサービスを提供できる」とした。

両社は今後、SalesforceとAWSによるハイブリッドクラウドサービスをワンストップで提供する。とくに、AWSにおけるSalesforceソリューションに拡大に注力し、早期にAWS技術者を両社あわせて現在の約3倍の100名規模に拡大していくという。

資本業務提携のポイント

佐藤氏は現在のAWS市場について、「3年前のSalesforceと同じ勢いを感じる」と述べ、今後の成長を期待する一方、「現在不足しているAWSの技術者も、いずれエンジニア過多になる。そのとき、複数のことができる点が先行者利益になる」と、今回の両者の提携が将来の差別化の布石であることを明らかにした。

また、単なる業務提携ではなく、資本業務提携になった点について同氏は「業務提携であれば、いつでも解消できる。いっしょにどろどろになりながらやることが重要だ。より強固に提携し、グループとしてやっていきたい 」と述べ、将来1つになる可能性も示唆した。

両社は、3年後に現在の約3倍の50億円の売り上げを目指すという。

握手するテラスカイ 佐藤社長(右)とサーバーワークス 大石社長(左)