KDDIとKDDI研究所は9月4日、プライバシーポリシー作成支援ツールを5日より同研究所Webサイトで無償公開すると発表した。同ツールは総務省が2012年に公表した「スマートフォン プライバシー イニシアティブ(SPI)」に準拠したプライバシーポリシーの作成を支援する。

同ツールはSPIだけではなく、総務省が同日に発表したSPI IIの「概要版」に準拠した2種類のプライバシーポリシーを作成する。Android OS向けアプリ開発に広く利用されている「Eclipse」のプラグインとして提供されるが、Webサイトへの掲載など、Androidアプリ以外にも活用できるようにHTML形式でプライバシーポリシーが生成される。

ツールの利用方法としては、アプリの開発後にツールを通して送信情報をスキャン。数秒でプライバシーポリシーが自動生成されるという。あくまで支援ツールであり、アプリ作成者にとって必要な記述を補足、追記した上で改めてプライバシーポリシーがHTML形式で作成される。

利用イメージ

KDDI研究所では今年2月、利用者情報を送信するスマートフォンアプリが正しいプライバシーポリシーを表示できているか実態調査を行ったという。人気上位100位の無料アプリを対象として調査を行い、前提となる情報送信を行うアプリは63個だった。

63アプリのうち、提供会社やアプリ自体のプライバシーポリシーを開示しているアプリが36個(57%)、アプリのプライバシーポリシーを開示しているアプリが16個(25%)、送信情報を正しく説明しているアプリはわずか11%にとどまった。また、総務省のSPIで提言されているプライバシーポリシー8項目に準拠するアプリにいたっては0個であったという。

これらの調査結果をもとに、KDDI研究所はプライバシーポリシー(アプリプラポリ)の正しい開示ができるツールを開発。アプリが外部に送信する情報を高精度に抽出し、SPI提唱項目に準拠したプライバシーポリシーを短時間かつ正確に作成できるようにしたとしている。

KDDIは、2012年10月に「auスマートパス」などで配信するアプリでプライバシーポリシー概要版の開示を開始し、2013年7月にはアプリ開発者向けにポリシー作成支援ツールの一部を先行公開して情報抽出、ポリシー作成精度の向上を図っていた。