本物の火縄銃の轟音が響き渡る ※画像は過去の開催の様子

東京都新宿区の皆中稲荷神社では22日、「江戸幕府 鉄砲組百人隊 出陣の儀」が開催される。

火縄銃の試射や合戦演武を実施

同イベントは、毎回多くの見物客が訪れる、隔年(奇数年)で挙行されている祭事。その起源は、江戸幕府開設期にさかのぼるという。

天正18年(1590)8月、豊臣秀吉の命で徳川家康が江戸入府を果たした際に、その先陣を勤めたのが服部半蔵を頭領とする鉄砲同心百人だった。家康入府後も、西方から攻めてくる北条氏の残党を想定し、鉄砲組百人隊を現在の新宿の地に駐屯させた。現在の東京都新宿区の百人町の地名は、鉄炮組百人隊が駐屯していたことに由来するものとされる。

会場となる、百人町に所在する皆中稲荷神社も、鉄砲組と深い縁で結ばれている。射撃がうまくいかず悩んでいた鉄砲組の与力がある夜、稲荷の大神が夢枕に立ち護符を示された。翌朝さっそくお参りしたところ、大矢場(練習場)での射撃が百発百中。以後、皆中稲荷が「みなあたるのいなり」と読めることから射撃のご利益があるとして、鉄炮組の多くの士がお参りをするようになった。その後、報恩感謝のため「鉄炮組百人隊出陣式」が奉納されるようになったという。

過去の「江戸幕府 鉄砲組百人隊 出陣の儀」の様子

イベント当日は、鎧や兜で身を固め、百人町界隈を練り歩き、火縄銃(ひなわじゅう)の試射や合戦演武を実施。本物の火縄銃の凄まじい轟音と、煙と臭いに圧倒されるという。なお、火薬は使用するものの、本物の玉は使わないため、危険はないとのこと。

開催日は、9月22日。会場は、皆中稲荷神社(東京都新宿区百人町1-11-16)ほか。