クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活動母体であるコモンスフィアは、同人活動に関する著作権の意思表示ツール「同人マーク」のデザインを決定した。

「同人マーク」は、著作権者が自身の作品の二次創作を認める場合にこのマークを作品に表示することで、二次創作を行う側がより安心して作品の販売を行うことが可能になるもの。日本における二次創作文化を保護および促進するための試みとして作成された。2013年7月16日~28日にかけて同マークのデザインの公募が行われ、漫画家、Jコミ代表の赤松健氏、講談社週刊少年マガジン編集長の菅原喜一郎氏、コモンスフィア理事のドミニク・チェン氏らが構成する選考委員会により、応募作品の中から図案が決定された。

このたび採用されたのは、かすり氏による図案で、「創作の意味のペン先とOKの意味の丸を組み合わせた」デザインとなっている。審査員は「「ペン」と「OK」が美しくレイアウトされていて分かりやすい。これならば「何かをペンで描いてもOKらしい」と海外でも認識できそうかも。JISマークに似た印象なのも日本らしくて良い」というコメントを寄せている。最終選考に残ったその他の図案についても、コモンスフィアのサイト上にあるPDFファイルにて審査員のコメント付きで紹介されている。

今後は2013年晩夏から連載開始される予定の赤松健氏による漫画作品(講談社「少年マガジン」掲載)から、「同人マーク」が順次採用される予定。「同人マーク」のついた作品の利用条件については、8月末を目処にコモンスフィアのWebサイトで発表される。

なお、同マークは、日本のTPP(環太平洋連携協定)への参加によって、著作権侵害が非親告罪化される可能性が懸念を呼んでいることを背景に、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスではカバーしづらい日本の同人文化に沿った意思表示マークとして制作されているもの。また、同マークの表示について、7月17日に発表された同マークのデザイン募集要項には「マークの利用は、あくまで作家側の自由意思によります。マークのない作品の利用について、これまでと扱いを変える意味を持つものではありません」と記載されている。