映画『メン・イン・ブラック』シリーズなどで知られるアカデミー賞俳優トミー・リー・ジョーンズが主演を務める映画『終戦のエンペラー』が、映画として初めて皇居のなかでの撮影が許された映画であることは明らかになった。

皇居内での撮影風景

同作は、岡本嗣郎の「陛下をお救いなさいまし」を原作とし、1945年終戦直後の日本を舞台にした歴史サスペンス作品。この作品では、映画で世界初、皇居敷地内で撮影を敢行したほか、希少な歴史写真を元に皇居の内部まで再現。なかでもメインとなったフェラーズと関屋(夏八木勲)が意見を戦わせた関屋の会議室については、劇中に登場する関屋宮内次官の本物の孫で、同作のプロデューサーである奈良橋陽子から送られた専門書を参考に再現した。美術監督のグラント・メイジャーは「陽子が写真のたくさん載ってる専門書を何冊か送ってくれたので、僕たちはその中から部屋を一つ選び、可能な限り忠実に再現した。ただし、写真は白黒だったので、部屋の色は僕たちの想像だけどね」と振り返った。

希少な歴史写真を元に再現された皇居の内部の様子

ほか、同作では東京の第一生命ビル6階に保存されているマッカーサーの執務室をもとに再現したオフィスをはじめ、東京のアメリカ大使館、天皇が戦争中に一時期仮の住まいとした防空壕、神風特攻隊の訓練場でもあった厚木飛行場、マッカーサーが厚木飛行場に到着した際に搭乗していたC54輸送機の機内なども精巧に再現。ウェーバー監督は「セットに足を踏み入れた途端にテンションが上がるんだ。雰囲気やディテールが完璧に作り込まれていたからね。作品の世界観を作り出す上で、セットが果たした役割は大きいよ」とその重要性についてコメントしている。

監督は映画『真珠の耳飾りの少女』(2002年)のピーター・ウェーバー。トミー・リー・ジョーンズをはじめ、マシュー・フォックス、西田敏行、桃井かおり、中村雅俊らが参加するほか、映画『ノルウェイの森』(2010年)の初音映莉子が物語の鍵を握る女性として登場する。映画『終戦のエンペラー』は7月27日より全国公開。

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