Wineチームは7月18日(米国時間)、Wineの最新版となる「Wine 1.6」を公開した。WineはWindowsアプリケーションを実行するための互換レイヤ。Windowsアプリケーション実行時にWindows APIをオンザフライでPOSIX APIに変換して実行する。パフォーマンスやメモリの利用において利点があるとされており、LinuxやFreeBSD、Mac OS XなどでWindowsアプリケーションを実行できる。
「Wine 1.6」は16ヶ月におよぶ開発の成果物で、10,000ほどの変更が施されている。注目される新機能はMac OS X向けの新しいドライバの導入、ウィンドウ透過機能のサポート、.NETアプリケーションをサポートするための新しいMonoパッケージの導入など。Mac OS Xの新しいドライバは従来のドライバよりもMac OS Xとの統合が進んでいるほか、Mac OS XでWineを実行するにあたってX11が不要になっている。
日本語のサポートが改善している点も注目される。縦方向に記述する日本語がサポートされたほか、日本語への翻訳も進んだ。Mac OS Xにおける日本語対応も進んでいる。対応プラットフォームに新しくARM64が追加されたほか、ARMプラットフォームにおけるデバッグサポートが改善された。また新しいサポートプラットフォームとしてDragonFly BSDも追加されている。