富山地方鉄道は10日、2階建て車両(ダブルデッカー)の導入を発表した。京阪電気鉄道から8831号車を購入し、京阪色2両編成の車両(10030形)の中間に連結。8月中旬の運行開始を計画している。2階建て車両は地方私鉄(JR・大手私鉄を除く)初の試みという。

富山地方鉄道が導入するダブルデッカー8831号車

ダブルデッカー8831号車の車内の様子

ダブルデッカーがきた-----!!」と題した今回の発表によれば、同社は北陸新幹線開業を見据えた鉄道の観光資源化に取り組んでおり、「アルプスエキスプレス」(2011年12月デビュー)に続く観光列車第2弾として2階建て車両を導入するという。

今回、同社が購入するのは、今年3月末をもって京阪電車から引退した旧3000系特急車(8000系30番台)のダブルデッカー8831号車。階上部・階下部ともに集団離反式シート(階上部は4列配置、階下部は3列配置)で、座席数は69席(階上部28席、階下部19席、一般席22席)、車両定員は128人となる。階上部は通常の車両より視点が約110cm高く、立山連峰をはじめとする沿線の雄大な自然をパノラマで楽しめる。

同社は昨年、10030形(京阪旧3000系を1990~1993年に譲り受けた車両)1編成2両を京阪オリジナル色に塗り直し、「鳩マーク」も復刻させた。ダブルデッカー8831号車はこの編成の中間に連結され、3両編成の観光列車として運行される計画だ。ダブルデッカー車両を輸送した後、同社の線路幅に合わせる台車交換などの改造工事を行った上で運行される。

2階建て車両を連結した京阪旧3000系特急車。今年3月に引退した

2階建て車両の運用開始日や、試乗会などについては改めて案内するという。なお、同社は7月13日、稲荷町車両基地で撮影会イベントを開催する。参加費は大人3,500円、こども1,500円で、日頃撮影できない車両点検シーンや改造シーンを撮影できるとのこと。