総務省情報通信政策研究所はこのほど、「青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査」の結果を発表した。同調査は、2013年2月8日~12日の期間にインターネット上で行われ、小(4~6年生)・中・高校生および大学生・社会人(25歳まで)の男女2,609名から有効回答を得た。

まず、情報通信機器の利用状況を尋ねたところ、最も多かったのは「パソコン(タブレット端末除く)」で90.9%。パソコンは小学生でも75.9%、高校生、大学生、社会人ではいずれも95%を超え、幅広い年代で利用されていた。以下、「ゲーム機」が74.6%、「スマートフォン」が45.4%、「フィーチャーフォン」が37.6%、「タブレット端末」が13.2%と続いた。

スマートフォン/フィーチャーフォン所有者に、最も重要だと考えている機器を聞くと、「パソコン」と「スマートフォン/フィーチャーフォン」が同率の39.5%でトップ。次いで、「テレビ」が11.7%、「ゲーム機」が4.5%、「音楽プレーヤー」が2.8%となった。

次に、米国の心理学者であるキンバリー・ヤング博士が作成した20項目の診断基準を試行的に用いて、「ネット依存的傾向」として得点化。算出した得点を「70点以上(ネット依存的傾向:高)」「40~69点(中)」「20~39点(低)」の3区分に分類した。

その結果、全体では、ネット依存的傾向が「高」は6.3%、「中」は37.5%、「低」は56.2%。年代別に見ると、高校生のネット依存度が最も高く、「高」が9.2%、「中」が50.8%の計60.0%に上った。また、スマートフォン所有別に見ると、所有者は「高」が6.8%、「中」が43.7%の計50.5%となったのに対し、非所有者は「高」が5.8%、「中」が32.4%の計38.2%となり、両者の間で10ポイント以上の差がつく結果となった。

ヤング博士の尺度に基づく全体の傾向(出典:総務省情報通信政策研究所Webサイト)

「自分はネット依存だと思う」と回答した人は28.0%。年代別に見た場合、高校生40.4%、大学生39.5%、社会人38.7%、スマートフォン所有者35.4%となり、高校生以上とスマートフォン所有者で高い割合を占めた。また、ネット依存傾向が70点以上であるにも関わらず、「自分はネット依存だと思う」と答えなかった人が70点以上の層の約4分の1に上った。

ネットを利用するために犠牲にしている時間がある人は57.2%。このうち、「睡眠時間」を犠牲にしている人が37.1%で最も多く、次が「勉強の時間」の31.9%となった。年代別では、高校生と大学生が犠牲にしている時間が多かった。

メールやサイトの平均利用時間(平日)を調べたところ、「パソコンでネットのサイトを利用する」が最長で70.8分、次が「スマートフォンもしくはフィーチャーフォンでネットのサイトを利用する」で30.5分となった。