横浜市立大学大学院医学研究科 臓器再生医学の谷口英樹 教授(出所:日本科学未来館)

日本科学未来館は、世界で初めてヒトiPS細胞から血管構造を持つ機能的なヒト臓器を創り出すことに成功した論文が7月4日付でNatureに掲載されたことを受け、7月15日に同論文の執筆者である横浜市立大学大学院医学研究科 臓器再生医学の谷口英樹 教授を迎え、「世界で初めての立体臓器作製」に関する説明を行うサイエンティスト・トーク「iPS細胞からヒト臓器を作る」を開催する。

これまでのiPS細胞を用いた研究は血液を作る細胞など1次元での開発、網膜や皮膚などシート状になる2次元での開発と進んできたが、臓器などの立体的な構造を持つ3次元での開発は、細胞の培養だけではなく血管など臓器を支えるあらゆる器官が必要でもっとも困難とされてきていた。

今回の成果で得られた肝臓は、ヒトの血管を持ち、薬物を分解する機能を持っており、トークショーではそれがどのような工夫によって成し遂げられたのか、再生医療はどこまで可能なのかなどについて、研究に携わった本人の口から、その説明がなされる。

また、トークショーの前には、iPS細胞とは何かについて未来館の科学コミュニケーターが10分間のミニトークを行うので、本番のトークを聞く前にそちらを聞くことで、より深く理解することが可能になるとのことなので、関心のある人はそちらから参加してみると良いだろう。

なお、開催時間は7月15日の14:45~15:45(受付14:25~)で、14:30から10分間が、科学コミュニケーターによるiPS細胞に関する基本的な内容についてのミニトークの実施時間となっている。開催場所は未来館3階の実験工房で、参加対象者は中学生以上(内容的には中学生以上ながら、興味のある小学生も参加は可能だという)、定員は45名、参加費は入館料のみで、事前申し込みは不要で直接会場受付にて申込みを行う形となっている。

また、同トークショーの模様はUstreamでライブ中継も行われる予定だという。