「労働基準監督機関が実習実施機関に対し監督指導を実施した数及び違反数」

厚生労働省の労働基準局はこのほど、外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導の状況について公表した。外国人技能実習生とは、開発途上国等における人材育成のニーズに応えた制度によって、日本の企業で一定期間働いている外国人労働者のこと。労働者は技能やノウハウを習得し自国に持ち帰ることが、企業にとっては外国企業との関係強化や社内の活性化を図ることができる。

監督指導数の約8割に違反

同局は、技能実習生の適正な労働条件の確保に重点的に取り組んでいるという。全国の労働基準監督機関において、平成24年に2,776事業場(実習実施機関)に対し監督指導を実施し、このうち79%に当たる2,196事業場で何らかの労働基準関係法令違反が認められたという。今後とも、実習実施機関に対し、同法令の周知徹底を図るほか、積極的に監督指導を実施。また、悪質な事業場に対しては、送検を行うなど厳正に対応していくとしている。

違反の半数は「安全衛生」

平成24年における主な違反内容は、健康診断などの「安全衛生関係」が1,362事業場で、ほぼ半数の49.1%となった。続いて多かったのは、「労働時間」で894事業場、32.2%だった。

「平成24年における主な違反内容」

時間外割増賃金額の不足を是正

平成24年における監督指導では、効果的な臨検監督により、割増賃金の不足額が支払われた事例も。労働時間の把握方法について不明な点を追究し、時間外労働の実態を明らかにした事例では、是正勧告を行った結果、6名に対する割増賃金不足額約400万円が支払われたとのこと。