CA Technologiesは6月26日、中期経営戦略説明会を開催した。説明会には昨年11月に日本法人 代表取締役社長に就任した内藤眞氏が登壇。中期5カ年計画として4つの戦略的取り組みを挙げた。

CA Technologies 日本法人 代表取締役社長の内藤眞氏

内藤氏は、冒頭、CA Technologiesのワールドワイドの実績を紹介。37年の歴史を誇り、ソフトウェアベンダーとして世界6位の規模を誇ること、年間売上高が46億4300万米ドルで、売上の約50%がメインフレーム関連事業、約40%がオープン系ソリューション事業、約10%がサービスという構成になっていることなどを説明した。

そのうえで、内藤氏は、日本法人の中期5カ年計画の基本方針として「日本のIT産業の『縁の下の力持ち』として日本のITインフラの強靭化を支援する」を掲げていることを説明。メインフレームも含めて、昨今の急増するトランザクションや複雑化するIT環境への対応を支援していくことを強調した。

中期経営戦略の概略

戦略的取り組みとして挙げられたのは以下の4つ。

  1. 宝の山を積極的に日本市場に投入
  2. 顧客満足度の向上
  3. パートナー・ビジネスの拡大
  4. 社員・地域への取り組み

4つの戦略的取り組み

新製品を続々投入

上記のうち、1つ目の「宝の山を積極的に日本市場に投入」については、以下の新製品を市場に投入することを明言。

  • DevOps : CA LISA、Nolio
  • Security : CA CloudMinder, Layer 7
  • IT Business Management : CA Clarity Playbook
  • Service Assurance : CA Nimsoft Monitor

上記の中には買収した企業が提供していた製品に加えて、自社開発の新製品も含まれている。既存のCA製品との連携も進め、自動化の範囲を広げていく方針という。

製品品質を日本独自の視点でチェック

続いて「顧客満足度の向上」という点では、「ジャパン・テクノロジ・センタ」を新たに設置し、"日本品質"を満たしているかどうかを国内で検証してからリリースするフローを取り入れる。日本の顧客が求める品質に至らない製品に関しては、イスラエルやインドなどの開発センターにフィードバックして修正を依頼。その確認を終えてから国内リリースを行うという。

また、商品企画面でも、「日本のニーズを製品開発に取り入れてもらう体制づくりを行う」(内藤氏)とし、製品分野ごとに担当者を置き、本社の開発部門に積極的に提案していく。

さらに、カスタマ・アドバイザリ・ボードも設置し、企業の経営企画に対して提言していけるチームを用意するという。

これまでとは異なる分野のパートナー獲得へ

「パートナー・ビジネスの拡大」という点では、多角的なパートナーシップを進めていくことを説明。特に、同社の製品ラインナップがシステム管理者向けから開発者向けへと拡大していることを踏まえ、SIerやコンサルティングといった分野にも積極的にアプローチしていくとした。

また、パートナー・トレーニングや共同マーケティングも強化していく意向であるほか、「CA Technologies Partner Exchange」と呼ばれる交流会も3カ月に一度の割合で実施することを明かした。

社員育成プログラム

そして、「社員・地域への取り組み」では、まず人材面において「Attract(外部から優秀な人材を採用する)」、「Develop(社内の人材を育成する)」、「Retain(優秀な人材を社内に引き留める)」という3点に重点を置いた施策を展開する。

また自身の考えとして、「企業において最も大切なのは人材。顧客の信頼を勝ち得て、良いものを提供する点に喜びを感じるような環境を作り、それがキャリアプランにつながるようにしていきたい」と述べ、具体的な施策として、シンガポールで実施する簡易的なMBA研修を提供することや、英語教育を用意したりすることを紹介した。

また、地域への取り組みにおいては、「IT人材は現在、首都圏に集中している。これを改善し、地方も活性化させないといけない」と説明。地方学生のITスキル向上を支援するプロジェクトを順次実施していくことを明らかにした。

また、すでに東日本大震災復興支援の一環として、「花がれき」プロジェクトを支援していることも紹介。美術部員が花の絵を描いたがれき(花がれき)の写真をデジタル保存して、同社のデータ保護ソリューション「CA ARCserve」を使ってアーカイブ化する取り組みを展開しているという。