エムティーアイは、非可聴域の音波を利用した独自のスマートフォン向け「屋内測位システム」を開発したと発表した。このシステムは、GPS電波の届かない屋内や地下などで、スマートフォン内蔵のマイクを利用して非可聴音を受信することで、誤差約30センチメートルの範囲で現在位置がわかる高精度測位システム。

システムイメージ

これまで、GPS電波が受信できない屋内や地下での位置測定はWi-Fiを利用したものが主流であったが、通常数メートルの誤差が生じるため、階数が混同して表示されやすい吹き抜けがあるビル内や、限られたスペースに数個のブースが並ぶイベント会場で位置表示をさせるには不向だった。

今回、同社が開発した「屋内測位システム」では、施設内に設置した信号源からの非可聴音をスマートフォンの内蔵マイクで受信するだけで、30センチメートル程度の誤差の位置測定を可能にした。

また、システムのために独自の「マップマッチング技術」も開発し、これらに産業技術総合研究所と行動ラボによるPDR(歩行者自律航法)の技術を組み合わせ、Wi-Fi測位よりも高精度な位置情報を取得できる「屋内位置測定ソリューション」を共同開発した。

同社では、このソリューションの販売を6月より開始し、ショッピングモールやイベント会場など、さまざまな施設やサービスでの商用化を2013年冬までに目指すという。