キヤノンは6月12日、ユーザーの目の前にある現実の映像とデジタルデータをリアルタイムに融合する、MR(Mixed Reality)システム「MREAL」用手持ち型ディスプレイを発表した。

キヤノンが開発中の手持ち型ディスプレイ

2012年7月に発売されたMREALは、設計の早期段階でデジタルデータを用いた製品評価が可能であるため、試作回数の削減ができることから、開発期間・経費の削減を実現する次世代の設計・製造のソリューションツールとして、製造業から高い評価を得ていると同社では説明する。

また、同時期に頭部装着型のディスプレイ「HM-A1」を発売しているが、今回開発を進めている手持ち型ディスプレイはそれに続くMREAL向け製品となる。開発中の製品は、手軽にMREALを使用できるため、ショールームや展示会の他、会議でのプレゼンテーションなどで威力を発揮するほか、位置合わせ専用の他社製のカメラやカーペット式マーカーと併せて使用することでMREALの精度と利便性の向上を実現することが可能になるという。

この手持ち型ディスプレイでは、内蔵のカメラとは別角度のカメラを、ディスプレイの外側に装着することで、現実の映像とデジタルデータとの位置合わせの精度向上と範囲拡大を実現することが可能となる。また、可搬型のカーペット式マーカーを用いることで、システムのセットアップの時間を短縮できる他、場所を選ばずにシステムを構築できるようになるという。

開発中の手持ち型ディプレイと関連ソフトウェアについて同社では2013年年末には商品化したいとしているが、現段階では詳細な仕様や価格は未定であるという。

開発中の新たなソフトウェア、他社製のカメラ、カーペット式マーカーで構築するシステム