女優の真木よう子、鶴田真由、鈴木杏らが10日、東京・神田明神で行われた映画『さよなら渓谷』(6月22日公開)の大ヒット祈願イベントに出席した。

今年初浴衣で、主演映画『さよなら渓谷』のヒットを祈願した真木よう子

同作は、『悪人』などで知られる芥川賞作家・吉田修一の同名小説を原作に、単独では7年ぶりに真木が主演を務めた。事件の加害者と被害者が夫婦として暮らすという男女の深い愛がテーマであることから、縁結びにご利益があるとされる神田明神でのヒット祈願。水色の涼しげな浴衣姿で登場した真木は、「やっぱり、しゃんとしますね。女性らしい振る舞い方をしなければならないのかなみたいな」と今年初の浴衣に笑顔を見せ、鈴木杏、鶴田真由らも浴衣姿を披露した。

役柄が事件の被害者であることから、「軽くはできないし、やっぱりそれぐらいの精神状態にもっていかなければならなかったし、自分でも気づかないうちに役と同化していたんだなと思います」と振り返った真木。劇中の夫婦間の愛について感想を聞かれると「この映画に関しては、愛情とか幸せ、不幸せなどと明確には言えないんですよね」と答え、「『それも1つの愛情』と言えるようなシーンだったり言葉だったり行動がちりばめられている映画なので、それを感じるのは見てくださったそれぞれだと思います」と語った。

左から大森立嗣監督、鈴木杏、真木よう子、大西信満、鶴田真由

また、真木は同作のエンディングテーマを担当。プライベートでも親交のある歌手・椎名林檎が作詞作曲を手掛けた。緊張しながらレコーディングに臨んだという真木は、「みなさんが大切に作った映画のエンディングを、歌手ではない私が歌っていいものかというプレッシャーももちろんありましたし、やるからにはと思って、かなこの気持ちで歌わせていただきました」。それでも、試写のエンドロールでは「最後はいやー!みたいな感じで(笑)」と恥ずかしかったようで、「あと2、3回見て慣れます」と照れ笑いを浮かべていた。

同作でメガホンを取った大森立嗣監督と、週刊誌の記者役で出演した大森南朋は実の兄弟。この日のイベントに大森南朋が参加していなかったことから、大森監督は冗談交じりに「なんで南朋がいないんだっていう話ですよね!」と嘆きつつも、キャスト陣を「映画を作るということに真摯に向き合ってくれる方々。スタッフと俳優が一丸となって物を作るというのが映画にとっては一番いいことなので、すごく幸せでしたね」とたたえた。重いテーマを扱った作品だったが、現場の雰囲気は和やか。真木は「みんなで焼き肉に行ったり、お酒飲みに行ったり」、鈴木は「真木さんはすぐにカラオケに行こうとするし」とその様子を楽しげに語っていた。