米国シスコは2013年6月7日、世界のIPトラフィックの増加とトレンドの予測と分析を行う年次調査「Cisco Visual Networking Index (VNI) Forecast (2012-2017)」の結果を発表した。

今回の調査によると、2012年から2017年の間に世界のIPトラフィック量は3倍に増加し、2017年には世界の年間IPトラフィック量は固定とモバイルを合わせて1.4ZB(ゼタバイト)に達すると予測している。この数字は、年間1兆ギガバイトを超えるペースである。2017年の月間トラフィック量は2012年の約44EB(エクサバイト)に対して、およそ3倍の121EB近くに達する。121EBは、DVDデータに換算して300億枚、MP3は28兆曲、75京件のテキストメッセージに相当するという。

ユーザー数:2017年までには世界のインターネットユーザー数は約36億人となり、国連が予測する世界の推定人口(76億人)の48%を超えると予測される。なお2012年の数字は世界人口(72億人)の約32%に相当する23億人と推定されている。

デバイス数:世界のネットワーク接続デバイス(固定・モバイル、M2M接続など)数は、2012年の約120億台と比較して、2017年までには190億台を超えると予想される。

固定回線の加速:固定ブロードバンドの世界的な平均速度は2012年から2017年の間に11.3Mbpsから39Mbpsへ、約3.5倍の速度になると予想される。なお、2011年から2012年にかけては、8.7Mbpsから11.3Mbpsへ上昇している。

PC以外のデバイス:2012年には26%だったPC以外のデバイスによるインターネットトラフィックの割合は、2017年までには49%まで拡大すると予想される。PCによるインターネットトラフィックは年平均増加率(CAGR)14%の割合で増加する一方、テレビ(CAGR=24%)、タブレット(CAGR=104%)、スマートフォン(CAGR=79%)、M2Mモジュール(CAGR=82%)と、その他のデバイスやネットワーク接続はこれを上回る割合で増加すると予測される。

今回の調査結果では、さまざまな「モノ」がインターネットに接続される「Internet of Things」が目に見えて拡大し、数字の上でも世界のIPネットワークに影響を与える存在となっていくことが明らかにされた。

世界のマシン対マシン(M2M)のネットワーク接続型機器の台数は、2012年から2017年までの間に20億台から60億台へと3倍に増加すると見られ、M2MによるIPトラフィックは20倍にも膨らむと予想される。2012年には年間197PB(ペタバイト)と、世界全体の0.5%に過ぎなかったM2MのIPトラフィックが、2017年までには年間3.9PBと世界のIPトラフィックの3%を占めるまでに拡大すると予測している。

ビデオ監視やスマートメーター、アセット・荷物追跡システム、ペットや家畜の埋め込みチップ、デジタル健康監視装置など、数多くの次世代M2Mサービスが、こうしたトラフィックの拡大を促進するとしている。