JR東日本は5月13日、iPad mini(Wi-Fi + Cellularモデル)を全乗務員(運転士・車掌)に配布すると発表した。導入台数は約7,000台になるという。

同社では、首都圏の主要駅や地方の乗換拠点駅等にタブレット端末を配備し、駅社員が顧客への案内などに活用してきたが、今回、さらにICT を活用した現場第一線における業務革新を実現するため、全乗務員がタブレット端末を携行して、輸送障害時の迅速な対応や案内などのサービス向上に活用する。2013年度中に首都圏から順次導入するという。

利用用途としては、輸送障害発生時の活用、案内などのサービス向上 、マニュアル類の電子化を想定。

輸送障害発生時の活用では、輸送障害発生時など乗務員が決められた列車以外の列車を担当する場合に、直接、乗務員の携行するタブレット端末に列車のダイヤ等運転に必要なデータを送付して対応を迅速化する。

輸送障害発生時の活用

案内などのサービス向上では、輸送障害時の列車の運転状況の収集および車内や駅で案内にタブレット端末を活用し、サービス品質の向上を目指す。

案内などのサービス向上

そして、マニュアル類の電子化では、乗務員に関する多くのマニュアル類を電子化して閲覧する機会を増やすことで、輸送障害時における対応能力向上や知識・技能の維持向上に役立てる。乗務員は2kg以上の重量がある様々なマニュアルを常時携帯しているが、これらの重量を400g程度に削減できるという。

マニュアル類の電子化

同社では本導入前に先行して、2012年10月から2013年1月にかけてタブレット端末85台を利用して試行を実施したが、良好な結果を得られたことから、本格的な導入を決定した。