日本IBMは24日、「IBM InfoSphere BigInsights」および「IBM InfoSphere Streams」の新バージョンとして、それぞれV2.1とV3.1を発表した。BigInsightsは114万7,000円~、Streamsは445万2,000円~で、2013年5月中に販売を開始する。

InfoSphere BigInsightsは、テキストや画像などの大量に蓄積された非構造化データを並列処理するソフトウェアである。新バージョンでは、Hadoopデータベースにアクセスするため、BigSQL機能が搭載された。BigSQLは、SQL標準に準拠するインタフェースに対応し、専用のプログラム言語を習得しなくても、従来のRDB向けSQL言語を用いてHadoopを活用することができる。また、RDB向けに開発された既存のアプリケーションのSQLインタフェースも、そのまま利用することができる。

またBigInsightsは、汎用的な分散ファイル共有システムGPFS(General Parallel File System)を、Hadoop向けに対応させた「GPFS-FPO(File Placement Optimizer)」を実装している。HadoopのファイルシステムHDFS(Hadoop Distributed File System)の代わりに、GPFSを利用することができる。複数のノードからのアクセスを可能にすることで、セキュリティ向上が見込めるという。

IBM InfoSphere Streamsは、継続的に発信されるデータをリアルタイムに処理するストリームコンピューティング製品である。新バージョンでは、処理ロジックの実行プロセスが最適化され、ストリーム処理のパフォーマンスが向上した。他の分析ツールに、R言語モデルによるスコアリングの仕組みを追加したり、時系列解析を行うためのツールを組み込んだりすることで、幅広く分析できるデータ処理システムを構築することができる。

InfoSphere BigInsights V2.1にはInfoSphere Streams V3.1が同梱されるが、ストリームコンピューティングのみが必要な場合は単体で購入することが可能だ。なお、新製品の評価・開発環境として、「IBM InfoSphere BigInsights Enterprise Edition Starter Kit」(57万3,200円、1ユーザーあたり、20TBまで)と「IBM InfoSphere Streams Developer Edition」(39万6,300円、1ユーザーあたり)も販売される。