米航空宇宙局(NASA)の研究チームは、恒星から適度に離れた公転軌道をもち、生命の誕生に適した温度や水のありそうな「ハビタブルゾーン(habitable zone、生命居住可能領域)」で、地球に似た3個の惑星を発見したと発表した。
太陽系外惑星探査機「ケプラー」の宇宙望遠鏡で観測したもので、発見したのは地球から「こと座」方向に1200光年離れた「ケプラー62」恒星系にある「62e」と「62f」の惑星、さらに「はくちょう座」方向に2700光年離れた「ケプラー69」恒星系にある「69c」惑星。
このうち「62f」は地球の1.4倍の大きさで、公転周期は267日。岩石でできており、これまでに知られたハビタブルゾーンにある太陽系外惑星のうちでも最も地球サイズに近い。「62e」はその内側の軌道を122日で公転し、地球の約1.6倍の大きさで、岩石から構成される。「69c」は地球の1.7倍の大きさで、何からできているかは不明だが、公転周期は242日と、太陽系の金星(公転周期約224日)に近い。こうしたハビタブルゾーンでの“岩石惑星”の発見により、地球のように生命を育む海が存在する可能性もあるという。
探査機「ケプラー」は2009年3月に打ち上げられた。惑星が恒星の前を横切るときの明るさの変化の観測を15万個以上の恒星について行い、これまでに約20.5光年離れた「グリーゼ581」や約36光年離れた「HD85512」などの恒星系で計2740個の太陽系外惑星を見つけ、うち122個の惑星を確定させているという。