米Microsoftらが参加する業界団体FairSearchは4月9日(ベルギー時間)、米Googleの「Android」について欧州委員会(EC)に独占禁止法違反の苦情を提出したことを発表した。Androidはモバイル分野でのコンシューマーデータ収集のためにGoogleが仕掛ける「トロイの木馬」だと主張している。

FairSearchは検索の公正な競争と経済成長を追求する業界団体で、Microsoft、米Oracle、フィンランドNokia、米Expedia、米TripAdvisor、フランスの価格比較サイトTwengaら17社が参加している。

FairSearchは以前からGoogleが検索分野での独占を濫用していると主張してきたが、今回はモバイル検索とモバイル広告が中心となる。スマートフォンにおけるAndroidのシェアが約70%を占めていること、モバイル検索におけるGoogleのシェアが96%に達していることに触れ、「インターネットの利用がモバイルに移行しており、Googleは反競争的な戦略でモバイル市場を独占し、コンシューマーのインターネットデータのコントロールを固めようとしている」と主張している。

中でも、Androidについては無料でデバイスメーカーに提供することで独占的地位を獲得しているが、メーカーは「Google Maps」「Google Play」などのGoogleアプリをプリロードしなければならず、これがデータ収集を可能にしているという。他のサービスプロバイダにとって不利な条件となっている点も指摘している。

「Androidは、提携企業を欺いてモバイル市場を独占するための"トロイの木馬"」とFairSearchで顧問を務めるThomas Vinje氏はコメントしている。