第一生命保険(以下、第一生命)は、顧客サービスのさらなる向上に向け、日本マイクロソフト(以下、日本MS)と共同で実施したシステム開発により、第一生命の保険金・給付金支払査定ワークフローシステムを刷新したと発表した。

システム全体概要

本システムは、従来のユーザビリティを忠実に継承しながら、事務プロセスの大幅な効率化を可能にする新機能を備えた業務システムとして、リニューアルを実施。その結果、時間あたりの案件生成件数が3倍に増加するなど、顧客サービス向上に直結する大きな成果が生まれたというる。

新しい保険金・給付金支払査定ワークフローシステムは、システム処理スピードの向上や、処理プロセスの可視化の機能をさらに強化した。

保険金・給付金支払査定ワークフローシステムの概要

保険金・給付金支払査定ワークフローシステムにかかわる製品には、日本MSのソリューションを全面的に採用、導入とシステム開発は、日本MSのコンサルティングサービスが担当。2011年4月に要件定義を開始し、外部設計、コーディング、テストと順調に推移し、2012年11月19日に稼働を開始している。

旧システムは10年間の改修が重なってコード量が当初の3.5 倍にふくらんでいたため、ソースコードが複雑化。その複雑性を解消するために、今回は業務仕様やユーザーインターフェーズを現行踏襲しつつ、同時にアーキテクチャの刷新、アプリケーション構造の再設計、ソースコードの再実装を目指した。

Microsoft Visual Basic 6.0による旧システムから.NETベースの最新プラットフォームへ移行。Visual Studio 2010 やTeam Foundation Server のもつ機能を有効的に活用し、品質向上やテストの効率化を図ることで、開発生産性が向上したという。特に、開発用アプリケーションとして最新の Visual Studio 2010を使用したことで、手作業で書くコードの量が減り、さまざまな自動化を実現できた結果、作業効率が上がっただけでなくアプリケーションの品質向上にもつながったという。

旧システムは、Windows Server 2003のサーバ16台(112コア)で構成されていたが、新システムは、Windows Server 2008 R2 Hyper-Vにより、8台(46コア)に集約した。サーバの処理の力は600件/hから、1,650件/hに、約2.7倍のスループットを実現。一方、ソースコードは約146万行から約85万行に削減している。

旧システムと新システムの比較