武藤工業は、日本に数台しかないソリューションで制作したモデル・栗原類の3Dフィギュアを披露した。

自分のフィギュアを眺める栗原類

同企画は、映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』の公開記念イベント内で実施されたもの。同作は、映画『コララインとボタンの魔女』(2009年)を手掛けたアニメーション製作会社ライカ・エンターテインメントが構想10年、制作期間3年を費やして完成させた3Dストップモーション・アニメ。死者と話せる少年(パラノーマン)が、300年前に封印された町(ブライス・ホロー)の秘密を解き明かすアドベンチャームービーだ。

この作品では、映画制作において初となる3Dカラープリンタを用いたことにより、顔の数だけでも約3万個を超える膨大なパーツを用意することができた。その結果、これまでのストップモーションアニメでは実現できなかったような生き生きした表情や動きを再現することができたという。

今回、日本に数台しかないという貴重なソリューションで栗原フィギュアを制作した武藤工業の伊東義夫氏は「栗原さんの全身をスキャンするのに30分、そのスキャンデータの調整にも30分ほどかかっていますが、3Dプリンタでの出力は約3時間ほどです」と説明。通常、3Dプリンタの素材には樹脂や石膏を使用されており、今回は、石膏を用いた理由については「カラーで出力できるのが石膏のみであることですね。そして、樹脂と比較し、制作時間が短く、価格も樹脂の約3分の1ほど抑えられることが挙げられます」とした。精巧に作られたフィギュアと初対面を果たした栗原は「結構、(僕って)後ろ髪があるんですね。これ、下手すれば女性に間違えられますね」とまず感想を。続けて制作時を振り返り「6秒(スキャンをするために完全静止していなくてはいけない時間)とはいえ、一切動いちゃいけないのが大変でした」と語った。

ちなみに今回用いたソリューション(3Dスキャナ、編集ソフト、3Dプリンタ「ZPrinter 850」)の値段は1,500万円~2,000万円。フィギュアを売価にすると約5万円~7万円ほどになるという。

今回制作された約30cmほどの栗原類フィギュア

そのほか、同イベントには同作の宣伝隊長であるスピリチュアル女子大生のCHIEも登場。栗原のオーラについて「ネガティブな人は大体青色のオーラが見えるんですけど、栗原さんはきれいな緑色が見えるので、本当はマイペースでやさしさがある方だと思います。ちょっと恥ずかしがりやなだけなんじゃないでしょうか」と分析。それに対し、栗原は「確かに当たっているかも知れないです」とオーラ診断が当たっていることを認めた。それ以外にも、栗原が得意するタロット占いの話などにも話は及んだが、最後は「アニメーション映像もストーリーもキャラクターも全ての要素が完璧な映画だと思います。ぜひ映画館に来ていただければと思います」(栗原)、「主人公のノーマンくんにすごく共感できるし、心に残る作品になっています。ぜひ劇場に観に来てください」と揃って同作をPRした。映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』は、3月29日よりTOHOシネマズ みゆき座ほかにて全国公開。