消費者庁は、悪質な「開運ブレスレット」販売事業者による消費者被害が相次いでいるとし、注意を呼びかけている。

同庁によると、雑誌やインターネットなどで、「無料提供」「必ずあなたの願いをかなえます」などと謳った開運ブレスレットの広告を見て申し込んだ消費者に対し、販売業者が「お布施代・祈祷料・会員登録料」などの代金を請求。さらに、別サービスの勧誘や、キャンセルを申し出ても高額なキャンセル料を請求される、あるいは支払った代金が返金されないといった被害が増えているという。

広告の多くは、女性誌やギャンブル系雑誌などに掲載されており、「無料」「返金保証」といった魅惑的なキャッチフレーズで消費者を引き寄せるのが特徴。被害者の約8割が女性で、年代別に見ると30歳代~60歳代の被害が約8割、70歳代以上の高齢者の被害も1割近くに上る。

広告の中には、"どんな願いもかなえることができる能力"を持つ人物などを載せて、その霊能力者がブレスレットに念を込めているかのような説明をしている業者もあるが、そのような実態はない。また、「パワースポット」といわれる場所などを業者の住所として表示したりしているが、実際に営業をしている場所ではない場合が多いほか、「宝くじに当たった」「競馬で万馬券が当たった」といった実在しない体験談を掲載しているという。

同庁は、「開運・幸運という言葉は人の心を動かしやすいため、ほぼすべての人が被害者となる可能性を秘めている」と指摘。消費者へのアドバイスとして、「無料」の謳い文句に注意する、ギャンブル性のあるものに絶対、必ずはない、広告掲載の内容を見極める、まず一晩考える、簡単に住所・電話番号を教えない、可能な場合は返品する、消費生活センターへの相談などを勧めている。

同庁は併せて、2012年度分(2013年2月まで)の行政処分事例を紹介。広告表示義務違反などに当たるとして処分された業者は、「ハピネス」「幸愛」「アマテル」「ミカエル」「パーフェクトデイズ」(アドクリエイト、ジェイコーポレーション、アドライン)「京華苑」「浄福郷」「アップス」の計8業者となっている。